セッション情報 ワークショップ2

大腸憩室の諸問題と解決法

タイトル

W2-2 大腸憩室出血における関与薬剤の検討

演者 福知工(大阪府済生会中津病院消化器内科)
共同演者 仙田花実(大阪府済生会中津病院消化器内科), 蘆田潔(大阪府済生会中津病院消化器内科)
抄録 【目的】大腸憩室出血における薬剤の関与と臨床的特徴を検討した.【対象及び方法】対象は2001年1月1日より2010年12月31日までに受診した大腸憩室出血182症例(平均年齢689歳男女比115;67)である。これと年齢性別をマッチングさせた上部潰瘍出血群(n=182平均年齢689歳男女比115:67)とコントロール群(n=182平均年齢68.9歳男女比115:67)を作戚しNSAIDsアスピリン非アスピリン抗血胃薬の服用率も検討した.またアスピリンを服用していた大腸憩室出血に関しては輸血の状況を検討した.【成績】NSAIDsの服用は憩室出血群では(服用率(%)服用していた症例数)で(16.4%30例)上部潰瘍出血群で(30.8%56例)コントロール群で(5.5%10例)二丁間で有意差をもって上部潰瘍出血群憩室出血群コントロール群の順でNSAIDs服用の頻度が高かった.アスピリンの服用は憩室出血群で(35.7%65例)上部潰瘍出血群で(16.4%30例)コントロール群で(6.1%11例)各野間で有意差をもって憩室出血群上部潰瘍出血群コントロール群の順でアスピリン服用の頻度が高かった.非アスピリン抗血胃薬の服用は憩室出血群で(154%28例)上部潰瘍出血群で(19.8%36例)コントロール群で(3.3%6例)コントロール群と他2群の聞に有意差があったが上部潰瘍出血群と憩室出血群との間に有意差はなかった.アスピリンのみ服用の大腸憩室出血32例の輸血率平均輸血量は35.3%1.61単位NSAIDs/アスピリン非服用の大腸憩室出血93例は18.1%α52単位両者ともにアスピリンのみ服用の大腸憩室出血で有意に高かった.【二丁大腸憩室出血とアスピリンは従来関連が強いとされてきた上部潰瘍出血よりも更に関連が深くNSAIDs/アスピリン非服用の大腸憩室出血より出血量が多いことが推測され予防の検討が望まれる.
索引用語