セッション情報 ワークショップ2

大腸憩室の諸問題と解決法

タイトル

W2-3 大腸憩室出血症例の臨床像と治療上の問題点

演者 藤野靖久(岩手医科大学救急医学講座)
共同演者 井上義博(岩手医科大学救急医学講座), 小野寺誠(岩手医科大学救急医学講座)
抄録 【目的】大腸憩室出血治療の問題点を探る.【方法】対象は1980~2010年に当科に搬送された大腸憩室出血95例.背景や臨床像を検討した後再出血群と非再出血群に分けて比較し再出血要因適切な入院期間について検討した.【成績】年次推移は1980~84年1例~892例~947例~9912例~20〔}424例一一〇9 38例(一一10 11例).年齢23~92平均63.8歳.男/女比72/23.憩室出血歴有2&3%.発生部位(右側/左側)は全体で50/37年代別では2004まで26/122005以降24/25年齢別では65歳未満30/665歳以上20/30(p〈O.Ol)性別では男39/27女11/10.治療法は69.5%が自然止血していた他クリップ法25例経カテーテル的動脈塞栓術(TAE)5例外科的手術5例(重複あり).[再出血群vs.非再出血群]平均年齢62、464.3歳男/女比19/553/18.憩室出血歴(有/無)5/1912/59.抗凝固剤または抗血小板剤服用(有/無)4/20. 9/62。最低血圧は平均96. 118 mrnHg(p<0、01).ショック徴候(有/無)10/146/65(p<001).治療法(入院時自然止血/クリップ法/TAE/手術)(重複あり)15/11/1/O58/14/4/5(p<0.05)入院時Hbは平均11.410、9 g/dL最低Hbは平均7.99.3g/dL(p<0.05).血小板数は平均24122.8 x lO4/mm3総蛋白は平均6262 g/ctL.輸血量は平均5.62.2単位(p<OD5).[再出血までの時1間]全体で4~223平均65.0時間.治療法別では入院時自然止血4~126平均60.1時間クリップ法28~223平均7U時間TAEは1例のみで84時間手術例では再出血例はなかったショック徴候の有/無で比較すると有は28~223平均79.4時間無は4~126平均538時間.1【結論】大腸憩室出血は年々増加していた.ショック例やクリップ法施行例で再出血が多かった.再出血までの時間は概ね126時間以内であり入院期間は6日間程度で良いがショック症例やクリップ法を要した症例は注意が必要である.
索引用語