セッション情報 ワークショップ2

大腸憩室の諸問題と解決法

タイトル

W2-5 抗血栓薬内服中の大腸憩室出血における造影CT検査を先行した大腸内視鏡検査の有用性

演者 毛利裕一(倉敷中央病院消化器内科)
共同演者 松枝和宏(倉敷中央病院消化器内科), 山本博(倉敷中央病院消化器内科)
抄録 【目的】近年低用量アスピリンなどの抗血栓薬の使用の増加にともない憩室出血の症例は増加している.その出血部位は緊急内視鏡検査でも確認できないことが多く造影CT検査を先行することで出血源の同定を向上させる報告がある.今回我々は抗血胃薬を内服している場合と内服していない場合で造影CTを先行する効果に違いがあるか検討した.【方法】2006年1月から2010年12月までに当院にて憩室出血と診断され入院となうた患者(139例男性88例女性51例平均年齢69.1歳)について抗血三野服用群(A群65例男性51例女性14例平均年齢72歳)と非服用群(B群74例男性37例女性37例平均年齢66歳)の2群に分けて更にそれぞれを造影CT撮影を先行した内視鏡診断群と内視鏡診断のみの群に分けて内視鏡的出血源同定の有効性について検討した.【結果】A群のうち造影CT先行群(15例)の内視鏡的同定率は10例66.7%造影CT非先行群(50例)は25例50%であった.抗血栓薬学服用群のうち造影CT先行群(28例)の内視鏡的同定率は13例46.4%造影CT非先行群(46例)は21例45.7%であった.またCTのみで出血源を同定できた症例(A群7例B群10例)の内視鏡的同定率はA群5例71.4%B群7例70%であった.【結論】抗血栓薬服用群では造影CT検査を先行させて内視鏡検査を行うことによって出血源の診断を向上させる傾向があったが有意差は認めなかった.またCTで出血源を同定できた場合は抗血栓薬の内服に関わらず高い確率で内視鏡的にも出血源を同定できた.
索引用語