抄録 |
【目的1近年食生活の欧米化高齢化社会の到来により大腸憩室症.憩室炎が増えている.我々は第91回総会において憩室炎の超音波重症度分類外来治療プロトコールについて発表した(Aliment Pharmacol Ther21:889-8972005).一方で憩室炎診断のgold standardはCTとされている.今回超音波重症度分類のCTでの評価を行なった【対象と方法】1998年1月から2009年12月まで超音波に続きCTを施行した症例を対象とし後ろ向きに検討した.超音波重症度分類:Grade Ia=憩室エコーのみGrade lb:憩室エコーおよび周囲の脂肪織炎Grade Ic:憩室エコー周囲の脂肪織炎および2cm未満の膿瘍形成Grade II:2cln以上の膿瘍形成や腹腔内穿孔. Grade Ia-lcを軽症から中等症とし外来治療対象者としGrade IIは重症例とし入院の上抗生剤の経静脈的投与必要にて外科治療を検討.超音波CT診断は3人の放射線科医で行い比較はうち1人で評価し左.【成績】期間中CT施行例は71例.超音波重症度分類Grade Ia10例中CTでは9例Ia1例Ib. Grade Ib33例中CTで3時頃a29例lb1例Ic. Grade lc14例中CTで1例la11例Ib2例Ic. Grade皿4例中CTでは2例(3cm弱の膿瘍形成)がIb12例IIであった. Grade Ia-Ib評価は超音波CTでもほぼ同様であった.しかしGrade IcHにおいて超音波では3c皿未満の膿瘍の検出が可能であったがCTでは3cm未満での検出率が低かった.【結論】CTでは3cm未満の膿瘍形成が検出されないことがあり重症度が過小評価されることがある超音波重症度分類作成時2cmより大きく3cm未満の膿瘍形成症例が3例引き続き外来治療中に症状増悪で入院となった経験から2cmより大きい膿瘍形成例はGrade H重症例とした経緯があった。 CTによる診断ではGrade Ib中に2cmより大きく3cm未満の膿瘍形成症例(Gradell)が隠れている可能性があり外来治療ではより慎重な経過観察が必要である. |