セッション情報 ワークショップ3

大腸鋸歯状病変の診断癌化ポテンシャルをめぐって

タイトル

W3-2 SSA/Pの拡大内視鏡所見と遺伝子異常の解析

演者 藤野泰輝(徳島大学病院消化器内科)
共同演者 岡本耕一(徳島大学病院消化器内科), 高山哲治(徳島大学病院消化器内科)
抄録 【目的1SSA/Pは右側に好発する無茎性鋸歯状病変として新しく提唱された病変であり発癌ポテンシャルを有することが知られている.しかし内視鏡的特徴や遺伝子異常については不明な点が多い.そこで本研究では拡大内視鏡を用いてSSA/Pの内視鏡的特徴を解析するとともにその病理学的及び遣伝子異常に関する検討を行った.【対象・方法12009年3月から当院において内視鏡的に切除され病理組織学的にSSA/Pと診断(八尾分類)された26症例30病変を対象とした.通常観察を行った後にCV染色拡大観察を行いSSA/Pの内視鏡的特徴を検討した.病理学的検討はKi67などの細胞増殖マーカーの発現を調べるとともにアポトーシスの程度を評価した.SSAIP組織よりDNAを抽出し2-step PCR RFLP法によりB-RAF及びK-RAS変異を解析した.またPCR-SSCP法によりMSIを検索しBlsulfite法によll p16MC1遺伝子等のメチル化の解析を行った.さらにSSA/P周囲のACF観察を行いその病理学的分子生物学的検討も行った.【結果】SSA〆Pは全例教職に鋤られ鵬径中央値は12㎜粘鮒着は鵬に鋤た.CVl絶拡大観察では90%に開大したH型pitを認めた.照67染色では細胞増殖帯を腺管中層まで認めるものが大部分であった.一方遺伝子解析ではB-RAF変異は90%K-RAS変異は15%に認められた. MSIはMSI-Lを2病変に認めP16のメチル化は73%にHIC1のメチル化は76%に認められた.またSSA/P周囲のACF観察を施行したところ一部のACFは1)陰窩の拡張2)陰窩の不規則分岐3)陰窩底部の水平方向への変形などを有しKi67染色では細胞増殖帯を腺管中層まで認めSSA/Pの特徴の一部を有していた.1結語1SSA/Pの90%に開:大したH型pitを認めtこれらの病変では高率にB-RAF変異及びp16やMCIのメチル化を認めMSIが陰性であることよηSSA/P-cancer sequenceは種々の細胞増殖抑制に関わる遺伝子のメチル化が蓄積されてSSA/PとなりついにはMLHIなどのMSIを規定する重要な遺伝子がメチル化されて発癌に至ることが示唆された.
索引用語