セッション情報 ワークショップ3

大腸鋸歯状病変の診断癌化ポテンシャルをめぐって

タイトル

W3-9 当院におけるSSA/Pを伴う癌化例10例の検討

演者 曽絵里子(国立がん研究センター中央病院消化管腫瘍科内視鏡部)
共同演者 坂本琢(国立がん研究センター中央病院消化管腫瘍科内視鏡部), 松田尚久(国立がん研究センター中央病院消化管腫瘍科内視鏡部)
抄録 【目的】大腸癌の発育進展過程におけるserrated pathwayが明らかなとなりその前駆病変としてのsessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)が注目されている.しかしながらSSA/Pの内視鏡診断においては未だ決定的な所見はなく今後の更なる検討を要するが病理診断については.その診断基準が確立されつつある.当院では八尾分類に基づき2009年よりSSA/Pの病理診断導入後それらを背景とした早期癌症例が診断されており今回これらの臨床病理学的特徴について検討を行った.【方法】当院病理科データベースより2001年以降に内視鏡的・外科的切除が施行され背景にSSA/Pを有する癌(早期癌)と病理診断された病変を抽出した、10例が該当しそれらの臨床像と病理学的特徴について検討した.【結果110例の臨床背景は年齢(中央値):72歳(範囲58-89)性別(男性ノ女性):4/6病変径(中央値):13.5皿m(範囲10-35>であった.病変局在は盲腸二2例上行結腸:3例横行結腸:.4例S状結腸:1例であり1例を除き右側結腸に認められた(9/10).肉眼型ではIIa:2例Ils:2例Is+IIa:3例IIa+Hc:3例であった病理組織学的には粘膜内癌:5例粘膜下層浸潤癌=5例であり病変径(中央値)はそれぞれ10mm18mmであった.免疫染色による検索ではMSI-highが示唆された病変が7例認められた.1【結語】:当院におけるSSA/Pを伴う理化例は右側結腸がほとんどであった粘膜下層浸潤癌の病変径は20mrn未満の.ことが多くSSA/Pにおいては比較的小さな段階で浸潤傾向を獲得していることが推測された.また肉眼型では隆起成分と陥凹成分を伴う混合型病変が多く通常観察にて混合型を呈するには癌化の可能性を考慮した慎重な内視鏡観察が必要である。
索引用語