セッション情報 ワークショップ3

大腸鋸歯状病変の診断癌化ポテンシャルをめぐって

タイトル

W3-11 大腸鋸歯状病変の早期癌合併例における遺伝子学的検討

演者
共同演者
抄録 【背景】近年serrated neoplasia pathwayが新たな発癌経路として注目されその前駆病変としてhyperplastic polyp(HP)traditional serrated adenoma(TSA)の他sessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)の概念が提唱されている.【目的1大腸鋸歯状病変の早期癌症例での遣伝子異常の解析をおこない大腸鋸歯状病変の癌化について検討する.r対象】内視鏡摘除を施行した癌合併大腸鋸歯状病変18病変非癌成分はSSA/P 7病変TSA 11病変であった.【方法】SSA/P.は大腸癌研究会プロジェクト研究の診断基準に従った遺伝子変異検索(K:RASおよびBRAF)および遺伝子メチル化検索(MINT1MINT2MINT31p16MLH1)をパイロシークエンス法にて行った.3遺伝子以上のメチル化をCpG観and methylator phenotype(CIMP)+と判定した. MSIはBAT25BAT26で検討を行った.【結果】発生部位はSSA/P併存癌では857%が右側大腸に発生し逆にTSA併存癌では81S%が左側にみられた.肉眼型はSSA/Pは表面型が57.1%と多い一方TSAは有茎性を燈心とした隆起型が72.7%を占めていた.深達度:はSSA/PはSMが71.40kTSAは90.1%がMと差が見られた.BRAF変異がSSA/P85.7%TSA54、5%と両眼とも高率に変異を認めた.一方K:RAS変異はSSA/Pで0%TSAでも27.3%に認めるに過ぎなかった.CIMP+はSSA/Pで83.3%TSAで40.0%と高頻度に見られたがMSIと関連するMLHIメチル化はSSA/Pで2例333%でTSAでは1例も認めずMSIもSSA/Pでのみ3例e.9%に認めた.その3例は逼去の報告通り高齢女性の右側結腸で3例中2例にBRAF変異CIMP+MLH1メチル化を認め典型的なserrated pathwayの症例と考えられた.一方MSSのSSA/P4例中3例TSA11例申5例にp53発現を認め発癌に関運している可能性が示唆された.【結論】serrated pathwayにはSSA/PからMLH1のメチル化によりMSI大腸癌となる経路とp53 mutatiGnによりMSS大腸癌になる経路が考えられた.
索引用語