セッション情報 ワークショップ4

肝再生医療への展望

タイトル

W4-6 肝再生におけるNucleosteminの役割

演者
共同演者
抄録 【目的】肝臓は高い再生能を持つ臓器であり肝障害の程度によって再生機転が異なることが知られている.本研究では組織幹細胞マーカーとして知られるNucleostemin(NS)が種々の障害時の肝再生機転での役割について検討した【方法】70%肝切除後肝DDC障害肝でのNSの発現を観察した.肝魂細胞/前駆細胞とNS発現との関係を評価する目的にNSプロモーター制御下にGFPを発現するNS-GFP Tgマウスを作成し胎児肝新生児肝成体肝DDC障害成体肝にて解析した。胎児肝新生児肝および肝障害(DDC食)前後の成体肝をコラゲナーゼ処理により細胞を分離し成体肝は遼心分離により非実質細胞分画を得た.分離した細胞は非血球細胞分画(CD45-TERI19一)をFACSによって解析単離し培養培地にてコロニー形成能や分化能を評価した.またshRNAを用いてNSの発現を掬制下での肝痛憤.胞/前駆細胞や成熟肝細胞の増殖能を観察した.【成績1成体マウス肝ではNSは成熟肝細胞にも広く発現していたが70%肝切除を施行すると肝細胞分裂以前にNSの発現上昇が認められた.胎児肝や新生児肝では少数のGFP一陽性細胞が肝細胞胆管細胞への両分化能を有する著明なコロニー形成能を示した成体肝では非実質細胞分画は3群に分けられGFP強陽性細胞集団のみが両分化能を有するコロニー形成能を認めた.DDC肝障害モデルでは肝細胞のGFPは減弱し一方胆管周囲にGFP強発現細胞の出現を認めt FACS解析では非実質細胞分画において著明なコロニー形成能を有するGFP強陽性細胞集団は肝障害後に増加を認めた.肝幹細胞/前駆細胞においてshRNAを用いてin Vitro下にNS発現を抑制すると細胞周期回転は低下し成体マウスでin vivo下にNS発現を抑制すると成熟肝細胞の細胞周期回転が低下した。【結論】NSは肝障害時の肝幹細胞/前駆細胞および肝細胞による肝再生に重要な役割を担っていると示唆される.
索引用語