セッション情報 ワークショップ5

生活習慣と肝・胆・膵疾患

タイトル

W5-2 メタボリック症候群のNAFLDに対する生活習慣の影響について

演者
共同演者
抄録 {目的1本邦では肥満を背景に生活習慣病を合併したメタボリック症候群(MS)の増加が我が国の健康対策上の大きな問題となっている.MS該当者は非該当者に比べ非アルコール性脂肪肝疾患〔NAFLD)を伴いやすいことが知られているがMS該当者のNAFLDに対する少量のアルコールや喫煙を含めた生活習慣の影響についての検討は比較的少ない.今回我々はMS該当者のNAFLDに対する生活習慣の影響について検討した。【方法1対象は2008年4月から2010年1月の聞の当センター健診受診者のうちMS該当者で腹部超音波検査を受けウイルス性肝疾患アルコール摂取量20g上月以上を除いた724名.飲酒喫煙およびMS診断に基づく高血圧脂質異常糖尿病の生活習慣5項目に対する肝機能およびNAFLD(脂肪肝有りでALT31以上とした)頻度を比較した.またMS該当者におけるNAFLD発症の危険因子としての生活習慣の影響について.多変量解析を行い検討した.【成績】(1)MS該当者のうちNAFLDは41.6%であった.(2)非飲酒群は飲酒群に比べ有意にALTが高かったが(P<0.05)NAFLD頻度に有意差は認められなかった.(3)喫煙群非喫煙群の間にALTおよびNAFLD頻度に有意差は認められなかったが喫煙既往無し群では臨け群に比べ有意にALTが高かった(P<O、05).(4)脂質異常有り群は無し群に比べ有意にNAFLD頻度が高かった(PくO05).(5)高血圧無し群は有り群に比べ有意にNAFLD頻度が高かった(P〈0.05).(6)MS該当者におけるNAFLD発症についての単変量解析では年齢BMI、WC高血圧脂質異常ASTyGTPUA内臓型が有意な因子であり多変量解析では年齢、BMIAST内臓型がNAFLD発症の危険因子であった. (ma’】 MS該当者のNAFLD発症には生活習慣項目より内臓脂肪やBMIなどが重要であるがMS該当者の脂質異常者にはNAFLDを伴いやすいことが確認された.またMS該当者においては少量の飲酒者は非飲酒者に比べALT上昇を抑制する可能性が示唆された.
索引用語