セッション情報 ワークショップ5

生活習慣と肝・胆・膵疾患

タイトル

W5-3 NAFLDに合併する生活習慣病と肝組織中脂肪酸との関連に関する検討

演者 山田和俊(金沢大学附属病院消化器内科)
共同演者 水腰英四郎(金沢大学附属病院消化器内科), 金子周一(金沢大学附属病院消化器内科)
抄録 【目的1こ口までに我々は非アルコール性脂肪肝(NAFLD)症例における肝組織中脂肪酸含有量やその構成比が病態や肝粗織像と関連していることを報告してきた.一方NAFLDは生活習慣病の肝臓での一表現型と考えられているが合併する生活習慣病と肝組織学脂肪酸含有量との関連は明らかにされていない今回我々はNAFLDに合併する生活習慣病やその病態と肝組織中脂肪酸の関連を検討した.【方法】当施設において肝生検によりNAFLDと診断された患者のうち肝組織の脂肪酸含有量を測定しえた113例を対象としたうち39例では経時的肝生検を施行し肝紐門中脂肪酸の変化を検討した脂肪酸の測定には経皮田刀生検にて採取した肝組織を用いガスクロマトグラフィー法にて脂肪酸含有量を測定した.【結果】合併する生活習慣病の頻度は糖尿病70.8%脂質異常症60.2%、高血圧27.4%であった.肥満は72.3%にみられた.糖尿病高血圧の有無と肝組織中脂肪酸量やその構成比に閥連は認めなかった.脂質異常症の患者では統計学的有意差(P<O.05)をもってC14:0C16:0C16:1C18:0C18:1C18=2C20:1C22:1の脂肪酸量が増加していたが、脂肪酸構成比に有意な差は認めなかった.肥満者では各種脂肪酸含有量が有意に増加し構成比においてもC18:0/C16:0の有意な低下C18:1/C18:0の有意な増加を認めた.インスリン抵抗性を有する患者ではC18:0/C16:0の有意な低下C22;6C18:1/C18:0の有意な増加を認めた.経時的串生検施行例の検討ではBMI値や肝脂肪化の改善は各種脂肪酸含有量C18:1/C18:0の低下C18:0/C16:0の増加と有意な相関を認め肝組織の炎症の改善はC16:1/C16:0の低下と有意な相関認めた.【結論】肝組織中脂肪酸含有量ならびにその構成比はNAFLDに合併する生活習慣病の種類によη異なっており生活習慣病の改善とともに変化した.生活習慣病の改善がNAFLDの病態改善につながる機序の1つとして。肝継軸距脂肪酸の変化が示唆された.
索引用語