セッション情報 ワークショップ5

生活習慣と肝・胆・膵疾患

タイトル

W5-4 断酒は体脂肪量を変化させずに肝脂肪化とインスリン抵抗性を改善させる―問題飲酒者101例に対する前向き研究より―

演者 藤田尚己(三重大学消化器肝臓内科学)
共同演者 岩佐元雄(三重大学消化器肝臓内科学), 竹井謙之(三重大学消化器肝臓内科学)
抄録 【目的1過度の飲酒は肝脂肪化を惹起する.しかしこれがエタノールによる直接作用なのか摂取カロリーの問題なのかその詳細は不明である.また断酒により肝脂肪化が早期に改善することが知られているがこれと糖脂質代謝との閲連など解明すべき問題は多い.そこで今回我々は問題飲酒者における肝脂肪化や糖脂質代謝に及ぼす断酒の影響を入院患者101例を用いprospectiveに検討した.【方法1対象は当院(肝疾患精査加療目的)及びこころの医療センター(断酒目的)にて入院加療を行った101例(M/F=94/7例555士12.1歳飲酒量=エタノール換算145±70g/日).同患者に対し身体骨格測定糖脂質代謝などの血液検査腹部CT検査などを定期的に施行し断酒によるこれらの変化を検討した.【成績1断酒継続例においては肝脂肪化が有意に改善する[肝脾比=前:L12±O.18→3M:122±α11(P<001)一96M:1.23±O.14(P<O、01)]1一方で断酒失敗例では肝脂肪化が悪化した.[肝脾比=前=1.12±().17→3M:1.10±α13→6M二1.04±020].体重BMIウエスト周囲計FatScanにて計測した腹部内臓脂肪量には断酒継続の有無に関らず有意な変化は認めなかった.血液検査所見では断酒継続例にてTG値[前:162±135→3M:112±58→6M:124±54]血糖値[前:137±61→3M:113±48→6M:114士42]HOMA-Hk[前:4.72±6.38→3M:2.26±2.05→6M:2.OO±2.34ユの有意な改善を認めた.尚断酒開始時の肝脂肪化とTG値には有意な相関関係にあった(r =一一〇239P=O.Ol)【考察】飲酒は体脂肪量を増加させずに中性脂肪を上昇させ直:接肝脂肪化を起こすと考えられた.また上記の結果はアルコール性に限らずNASHにおいても肝脂肪化によるインスリン抵抗性獲得作用の可能性を示している.
索引用語