セッション情報 ワークショップ5

生活習慣と肝・胆・膵疾患

タイトル

W5-6 アルコール性肝障害患者における飲酒の動向と重症アルコール性肝炎の対策

演者 渡辺一弘(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科)
共同演者 稲生実枝(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科), 持田智(埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科)
抄録 【目的】近年重症型アルコール性肝炎(SAH)が増加傾向にあるが、その予後は不良で治療法の確立が急務であるSAHは肝に浸潤した好中球が類洞i内皮細胞肝細胞を障害して成立する我々はこの病態を制御するためステロイドパルス療法直後に穎粒球除去療法(GMA)を連日実施するsequential療法を考案した.そこでアルコール性肝障害患者の飲酒動向を検討してSAHに進展する症例の背景を明確にし。これら症例の対策としてsequential療法の有用性を検討した【方法】2010年6月から1年間に当科を受診したアルコール性肝障害108例を非肝硬変(D肝硬変(H)アルコール性肝炎(皿)に分類し患者背景と飲酒動向を比較したまたm群の中でsequential療法を実施した4例は治療経過を分析した.【結果】(1)患者背景:アルコール性肝障害患者の年齢(平均士SD)は57±13歳で男97例女11例.病型は1群53例(57±13歳男:女=49:2)H群48例(59±13個口41:7)lll群7例(57±13歳5:2>で何れも男が多く皿群は他群に比して有意に若齢であった.各日の平均飲酒量は日本酒換算で1群5。1±24合ll eC 62±4.5合T酔筆9.4±2.6合で1群に比してm群が有意に高値であった.皿群は7例中6例がSAHと診断されtうち4例は10合/日以上の大酒家で2例は常習飲酒家でないが10合以上の飲酒を契機に肝炎を発症した.(3)sequential療法を実施した4例の平均年齢は51±12歳で男2例女2例.入院時の血液検査値はALT L390±26531U/L T-bil 19±11mg/dLWBC 13570±8096/ptLCRP 5.3±2.5m屠dLPT 40±17%sequeat囲療法を施行するとステロイドパルス後に白血球数ば増加したがGMA後にエラスターゼ濃度が低下肝機能検査値が改善して全例救命された。【考案と結語】アルコール性肝炎は一般に大酒家に発症するがSAHは常習飲酒家でなくとも大量のアルコール摂取を契機に発症する場合があったSAHの治療としてステロイドにより白血球のdemarginationを誘導後これを除去するsequentia1療法が合理的でありその有用性を検討する価値がある.
索引用語