セッション情報 ワークショップ5

生活習慣と肝・胆・膵疾患

タイトル

W5-7 アルコール性肝硬変肝細胞癌における栄養障害の影響とその予防のための栄養学的なアプローチの提案

演者
共同演者
抄録 【目的】近年わが国のアルコール消費量は若干の減少傾向を示すものの肝疾患におけるアルコール性肝障害の比率は増加している。糖尿病や肥満の合併がアルコ・一ル性肝硬変の危険因子となることを報告してきたが依然として低栄養を伴うアルコール性肝硬変症例も多く認めている今回アルコール性肝硬変患者における栄養状態と飲酒量の関係を再検討しその予防法についても検討した.【方法】日本消化器病学会認定関連施設に対して肝硬変患者の成因についてのアンケートを行いアルコール性肝硬変患者については飲酒量飲酒期間とbody mass hl-dex(BMI)との関達を検討した。 BMIと肝細胞癌(HCC)の合併率も検討した.当院でアルコール性肝障害と診断された患者について。栄養相談を受けた群と受けない群での肝機能改善の差を検討した.【成績1肥満(BMI 25以上)の合併の割合は肥満38.8%と高率であり特に飲酒量:5合未満の群では高く497%であった.BMI18.5未満の例について検討すると飲酒量5合以上の群ではBMI 18.5未満の例が16.8%(一般人口では6.7%)と有意に高かった.HCCの有無が判明している863例ではBMI 30以上(51%)25-29.9(43%)18.5未満(35%)18.5-24.9(22%)の順にHCCの合併率が高かった.当院において管理栄養士による栄養相談を受けたアルコール性肝障害群では受けない群より肝機能改善率が高かった.【結語】5合未満の飲酒で肝硬変に至った群では肥満5合以上の群では逆に低栄養の合併が多い.HCCの合併率も栄養塩害のある群で多い.栄養障害がアルコール性肝硬変肝脂肪癌への進展に深く関与しており今後は管理栄養士による生活指導を活用しアルコール性肝障害の進展予防を模索すべきと考えられる.
索引用語