抄録 |
【目的1膵癌の治療成績向上のためには無症状期での早期診断が必須でありそのためにはハイリスク群の設定が重要である。近年生活習慣病と消化器癌の関連が注目されているが膵癌との関連性については未だ不明な点も存在する。今回山梨厚生連健康管理センターと山梨大学の共同研究により生活習慣病と膵癌の関連性について解析した【方法】2001年~2010年までの検診受診者のべ605948例(膵癌発見75例)および山梨大学で診療した膵癌240例を対象とした.患者背景としてBMI糖尿病喫煙歴癌既往脂肪肝胆石高脂血症について膵癌例と年齢性を一致させたコントロール3000例を比較検討した.また有意な因子について年齢調整オッズ比を算出した.【成績】膵癌患者の背景は年齢:男性68±10歳/女性70±9歳BMI:223±2.8/22.8±3.3糖尿病:既往30%/24%初回指摘20%/24%喫煙歴:過去:29%/42%現在=42%/14%癌既往:19%/13%.脂肪肝:14%/24%胆石6%/17%総コレステロール:188±44/212±43TG 85±31/112±70であった.性別に各因子について膵癌群とコントロール群と比較すると男性では喫煙歴(現在)糖尿病(既往初霞)女性では喫煙歴(現在)糖尿病.(既往初回)胆石が膵癌群で有意に多く(p<0.05)危険因子と考えられた有意差を認めた因子についてロジスティック解析により年齢調整オッズ比を計算すると男性:喫煙歴(現在)(OR 2.395%CI 1.23-3.M)糖尿病既往(3.31.89-5.72)糖尿病初回(1125.e6-21.05)女性:喫煙現在(55236-12.9)糖尿病既往(4.42.02-9.47)糖尿病初回(6.13.98-9.23)胆石(28. 1.39-5.79)であった.【結語】膵癌の危険因子として喫煙糖尿病が男女共通の危険因子であり胆石は女性のみの危険因子であった.生活関連病と膵癌の関係が示唆され高リスク群の囲い込みとして有用な可能性がある. |