セッション情報 ワークショップ6

IPMNの国際診療ガイドラインを巡って

タイトル

W6-2 IPMN経過観察例の検討―IPMN国際診療ガイドライン手術適応例について―

演者 小山内学(手稲渓仁会病院消化器病センター)
共同演者 真口宏介(手稲渓仁会病院消化器病センター), 高橋邦幸(手稲渓仁会病院消化器病センター)
抄録 【目的】IPMN国際診療ガイドラインには手術適応に関する記述があるがIPMNは高齢者に多く全身状態から手術適応であっても経過観察が選択される場合も少なくない今回画像診断では手術適応であるが経過観察を行った症例について検討した.1対象と方法】2010年9月までに診断したIPMN 583例中初回画像診断で手術適応を満たしたのは203例(34.9%)であり73例に手術を施行し130例を経過観察とした130例中1年以上の画像診断による経過観察が可能であった89例(68.5%)を対象とした.検討項目は1)内訳2)手術適応の因子3)進展率4)予後とした.進展の定義は嚢胞径の1cm以上の増大.主囎径2mm以上の増大結節状齪の出現または2㎜以上の増大とした.1結果11)89例の男女比は54:35平均年齢は69.3歳(47~85).2)診断時の手術適応因子は主膵管型5例でありかつ主膵管径101mm以上は1例結節状隆起を有していたのは2例であった.分枝型は84例であり嚢胞径3c皿以上59例主膵管径10mm以上3例結節状隆起有47例であり。2因子以上陽性は24例であった.3)平均観察期間は49.1ヶ月.進展は15例(16.9%:主膵管型3例分枝型12例)にみられ。内訳は嚢胞径増大6主膵管径増大L結節上隆起の出現・増大が7嚢胞径+隆起の増大しであった.また進展例のうち結節状隆起の出現・増大を認めた5例に手術を施行し組織学的には非浸:潤1癌2.腺ke 2過形成1であった.4)観察期聞中に12例(13.5%)が死亡し死因は良性疾患6他臓器癌5通常型膵癌1であり原病死例はなかった.【結論】初回診断時にガイドライン手術適応であるが経過観察を行った89例の進展率は17%であったが浸潤癌への進展例は認めなかった.経過中の死亡は14%にみられたが原病死はなかった.以上からガイドライン手術適応であっても経過観察が選択肢の1つになると考える.
索引用語