セッション情報 ワークショップ6

IPMNの国際診療ガイドラインを巡って

タイトル

W6-5 IPMN切除適応因子の検討

演者 越田真介(仙台市医療センター消化器内科)
共同演者 小林剛(仙台市医療センター消化器内科), 藤田直孝(仙台市医療センター消化器内科)
抄録 【目的】我々はこれまでIPMNの切除適応として壁在結節高の重要性を報告してきた.今回切除例を用いて切除適応因子について再検討を行った.1対象】当センターで診断したIPMN 342名(1983-2011)のうち手術切除した100名.【方法】1.副膵管型および分枝型IPMN切除例の悪性割合2.分枝型IPMNの切除適応を考慮する1臨床因子(有症状山門径結節高主眼管径主乳頭開口所見の有無)の妥当性3.IPMN由来浸潤癌切除症例の臨床病理学的特徴を検討した.1結果】1主辱円型および分枝型IPMN切除例のうち悪性例1はそれぞれ76%(25/33)45%(30/67)であった.2.画像所見で明らかな浸潤癌を除いた腺癌(n;18)と腺腫/過形成(n=39)を比較するとそれぞれ平均結節高(皿m)は15.4±10.44.0±49(p<0.01)平均嚢胞径(mm)は38.8士13.7.29.6±9:4(p<0.01)平均主膵管径(mm)は6.4±2.26.1±2.6(pニO:58)症状の有無と主乳頭開口所見の有無では両者で有意な差はみられなかった.癌の診断能に関して結節高のcut-off値を10mmと設定すると感度65%特異度91%が期待でき嚢胞径は診断に有用と考えられる適切なcut-off値を定めることができなかった.3.分枝型IPMN由来浸潤癌と病理診断したのは12名であった.このうち6名は10㎜以上の高隆起部を内在する拡張分枝を有しこれと連続して浸潤部(pap:2muc:3tub:1)がみられ高隆起性のIPMC由来の浸潤癌と推察された.他の6名はいずれも低隆起性の腺腫/過形成で大部分を占める拡張分枝を有し(全例gasnic type)これに連続して浸潤部(全例tub)がみられ前者とは別の浸潤形式が示唆された1結語】主膵管型の多くは悪性のため切除適応とすることは妥当と考える.嚢胞径も手術適応因子に取り入れた場合切除分枝型の約半数は非癌であった分明の切髄応肝として難繍高騰1デられ10㎜醐を切除するための一つの目安となる.分枝型の由来浸潤癌は高隆起性のIPMC由来が半数で残りの半数は低隆起性の腺腫/過形成の拡張分枝由来と考えられ隆起の目立たない症例からの浸潤予測因子の同定が今後の検討課題である.
索引用語