抄録 |
【背景と目的】国際ガイドラインにおけるIPMNの経過観察法は嚢胞の最大径で分類し2年間変化がなければ検査問隔の延長も可としているが問題点も多い.当院ではIPMN切除例の検討で汎用性の高い4因子1(性二型t結節径膵液細胞診)を用いた癌予測ノモグラム(NG)を作成し癌予測能ht ROC曲線下面積=0.903と非常に良好なことを報告した(World J Surg 2010).当院の長期経過観察症例において癌発生の検討およびNGが有用かを明らかすることを目的とした【対象と方法12008年10月までにIPMNと診断した451例中3年以上経過観察している102例を対象とした観察期1間5年(3-18年)男女:58/44年齢:61歳(33-77歳)二型:主膵管/分枝3/99壁在結節有11例(10.7%)膵液細胞診(1/2/3/4f5):42/49/11/0/0有症状10例(9%)、手術症例19例(18.6%).二二適応のないものは原則年1回EUSを施行し経過観察した.主膵管2㎜以上嚢胞10mm以上壁在結節2mm以上の何れかの増大を進行性病変とした1検討項目】1.進行性の有無から見た癌発生率 2.初回検査所見でNGを施行し癌の可能性を予測した【結果】1.40例(39%)は進行性62例(61%)は不変であった癌の出現は19例〔8.8%)に認められ進行性/非進行性から各々7(17%)〆2(32%)発生した。その内訳はIPMC7例(非浸潤4微小浸潤1浸潤2)通常型膵癌(PDAC>2例であった進行/累進行別に見た癌発生はIPMC 6/1PDAC 1/1でありIPMCの発生率は進行群に有意に多い一方PDACは進行/非進行別に有意差を認めなかった2.初回検査所見でNGを施行するとIPMCへ進展した7例中3例は初回検査所見で癌予測確率が20-30%であったのに対し非IPMC進展例では95例中91例(96%)が癌予測確率5%以下であった【まとめ1進行病変ではIPMCの発生が多かったがPDACの発生はIPMN自体の進行と…は関係なく発生し注意が必要である.NGは長期経過観察症例においても良好な癌診断予測能を示し患者毎のIPMNの治療方針決定に有用である. |