セッション情報 ワークショップ6

IPMNの国際診療ガイドラインを巡って

タイトル

W6-7 術前膵液を用いたIPMN亜型診断の有用性―IPMN切除基準への応用―

演者
共同演者
抄録 【背景】2006年IPMN国際ガイドラインが刊行され本疾患に対する治療方針に対する一定の方向性が示されたが画像診断を中心とした良悪性鑑別診断に限界がみられることは明らかである一方IPMNは組織学的な形態および粘液形質発現様式により4亜型に分類される.なかでも頻度の高いIntestinaltypeとGastric typeはMUC2染色によって分類されその悪性度に大きな差が見られることが明らかにされている.したがって術前にこれらの組織亜型分類は臨床上極めて重要であり切除適応の判定にも有用と考えられる.【目的】膵液によるIPMN亜型分類の臨床的有用性を検討した、【対象と方法】対象は術前に膵液採取を行い切除により病理診断の得られたIPMN34例(Histor-gical grade:Low/lntermediate dysplasia13例団gh grade dysplasla l 1例assosiated invasive ca 10例).切除標本を用いてMUClMUC2MUC5AC染色による組織亜型分類を行い膵液細胞診検体はパパニコロー染色によるclass分類さらにMUC1MUC2染色による亜型分類を行った.切除標本と細胞診検体によるMUC染色結果を比較し膵液による亜型分類の診断能を検討した.【結果】切除標本のMUClMUC2染色の結果Gastric Type16例(悪性25%).lntestinal type12例(悪性92%)Pancreatob1hary type 5例(悪性80%)Oncocystic typel例(悪性100%)に亜型分類された.切除標本と膵液細胞診検体によるMUC染色の結果は31/341例(92%)で一致しIntestinaltypeの診断能は感度83% 特異度100% 正診率94%であった.一方同症例における通常の細胞診.による癌の正診率は43%であった.【結語11PMN診断において術前の膵液を用いて組織亜型分類を行うことは悪性化の予測として有用であり手術適応への応用が可能と考えられた.
索引用語