セッション情報 ワークショップ7

PPIをめぐる最近の展開

タイトル

W7-2 プロトンポンプ阻害薬の薬物動態に及ぼす食事の影響の検討

演者 新海洋彦(東北大学大学院消化器内科)
共同演者 小池智幸(東北大学大学院消化器内科), 下瀬川徹(東北大学大学院消化器内科)
抄録 【目的1当馬プラゾール(OPZ)とうベプラゾール(RPZ)の薬物動態に及ぼす食事の影響を検討すること.【方法】健康成人男性12例(年齢28.5±7.0歳CYP2C19遺伝子多型:homoEM4例/hetEM4例/PM4例)を対象とした. OPZ20mg投与RPZIOm9投与および絶食下投与食後投与の組み合わせで無作為に4群に割り付けクロスオーバー法にて各薬剤の薬物動態を比較検討した、食事は朝食712kca1昼食1080kcalの規定食とした.薬剤は単騎投与とし血漿1中濃度を測定した.最高血漿中濃度(Cmax(ng/m1))血漿中濃度一時間曲線下面積(AUC(ng・h/m1))最高血漿中濃度到達時間(Tmax(h))半減期(h)を算出した.【成績】OPZ食後投与の1例RPZ食後投与の2例で血漿中薬物濃度が十分に得られなかったため3例(遺伝子多型hetEM2例/PM1例)を解析対象から除外した.OPZ絶食下投与食後投与ではそれぞれCmax 666.7±ss7.0574.9±5562AUC 2287.1±2565.51518.0±16773Tmax 2.9±134.1±1.9半減期2.3±1.51:5±0.8であり食事による有意な変動は認められなかった一方、RPZ絶食下投与食後投与ではそれぞれ、 Cmax 264.3±88.4189.1±1702AUC 548.5±255.1480.6±434.6Tmax 2.8±1.O53±1.8半減期1.6±L53.3±1.7であり食後投与によりTmaxが有意に遅延したCYP2C19遺伝子多型別の検討ではOPZRPZともにCmaxAUCはPM>hetEM>homoEMの順に大きく食後投与によりhomo-EM群にてTmaxが遅延する傾向が顕著であった.【結諭】PPI単回投与時には食事の有無とCYP2C19遺伝多型がPPIの血中動態に影響を及ぼすことが示された特にGERD治療開始時オンデマンド療法時には食前のPPI投与が効果的である可能性が示唆された.本研究にあたりPPI血中濃度測定に御協力頂きました 東北大学病院薬剤部 島田美樹先生松本洋太郎先生前川正充先生に感謝申し上げます
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