セッション情報 ワークショップ7

PPIをめぐる最近の展開

タイトル

W7-7 PPI長期投与の問題点―胃底部の多発白色扁平隆起の発生

演者 春間賢(川崎医科大学消化管内科学)
共同演者 鎌田智有(川崎医科大学消化管内科学), 塩谷昭子(川崎医科大学消化管内科学)
抄録 1目的】プロトンポンプ阻害薬(PPDの長期投与により胃底腺ポリープが発生することはよく知られている.最近我々は新しい胃病変胃底部に多発する白色扁平隆起(以下MWFF:Mu且tiple white flat lesion of gastric fundus)を見出し報告してきた.今回本病変の発生とPPI投与との関連について検討した.【方法】2009年1月1日から2010年10月1日の聞に4施設で経験したU4例のMWFFを対象とした. MWFFの診断は通常の内視鏡検査で胃底部を申心に多発するt辺縁鋸歯状の白色扁平隆起とした.隆起からの胃生検は44例空腹時血清ガストリン(G)は59例Hpylori感染は60例について検討を行った.血清G値350pg/血以上を呈するものを高がストリン血症とした.また同期間にPPI投与中の77例についてMWFFの発生別について血清G値を検討した.【結果】対象の平均年齢(標準偏差)は70.2歳(107)で76例(67%)が女性であった.93例中H2受容体拮抗薬25例PPI 68例と93例(81.5%)に胃酸分泌掬制薬内服の既往があった.病変の組織学的特徴は高円柱上皮からなる腺窩上皮の過形成で底腺ポリープに特徴的な嚢胞状拡張した腺管は認められなかった平均血清G値(標準誤差).は319.8pg/mlで19例(32.2%)に高G血症を認めた.またPPI投与中の患者Hpy互ori感染率は31.7%であった.PPI投与中の症例についてMWFF発生別に血清G値を検討するとMWFF(+)群24例で480.4±79.bpg/m1(一)群53例で291.8±27.9pg/mlとt有意にMWFF発生群で高値を示した(PくO.OO1.)【結論】胃酸分泌抑制薬特にPPIの投与は胃底腺ポリープだけでなく胃底部に多発白色扁平隆起を発生させる癌化例あるいは胃癌の合併例は現在のところ経験していないが隆起が密生する症例もありまた発生にG値の上昇が関わっていることからPPI投与患者では今後腫瘍発生もに注意する必要のある病変と考えられる.
索引用語