セッション情報 ワークショップ8

消化器癌の免疫学的解析と治療

タイトル

W8-6 肝細胞アポトーシスの持続によるマクロファージの活性化と肝発癌

演者 疋田隼人(大阪大学消化器内科学)
共同演者 巽智秀(大阪大学消化器内科学), 竹原徹郎(大阪大学消化器内科学)
抄録 【背景/目的】肝細胞癌の主な発生原因であるウイルス性肝炎や脂肪性肝炎では肝細胞のアポトーシスが多数認められる.そこで持続的な肝細胞アポトーシスが肝発癌に関与するか検討することを目的とした.【方法11肝細胞特異的Bcl-xLノックアウト(K:0)マウスMd-1 KOマウスは持続的な肝細胞アポト ・一一シスを認めることを報告してきた(Takehara Tet al. Gastroenterolagy20鉱H面ta E et aL Hepatology 2009)そこでこれらの肝細胞アポトーシス持続マウスの炎症性サイトカインプロファイル酸化ストレス及び肝腫瘍形成を検討した.【結果IBcl-xL K:0マウスは1年半で88%(7/8)に肝腫瘍の形成を認めたがコントロールマウスでは認めなかった(0/1①.同様にMc1-1 KOマウスは1年半で100%(16/16)に肝腫蕩の形成を認めたがコントロールマウスでは認めなかった(0/22)これらの肝腫瘍はAFPやグリピカソ3の有意な上昇を認めた.またERKやP38JNKの活性化を認め組織学的にもヒトの高分化肝細胞癌に酷似していた.これらマウスの6週齢での肝臓ではし6の上昇は認めなかったがTN:F-OtMOP-1の上昇酸化ストレスの増加を認めた肝細胞株に紫外線照射にてアポトーシスを誘導し作成したアポトーシス小体をマクロファージ(RAW細胞)と共培養するとTNF一〔xMCP-1産生が上昇したことより肝組織中のマクロファージによる炎症誘導がアポトーシス持続肝臓では認められると考えられた.Mcl-1 K:0マウスのアポトーシスはアポトーシス促進蛋白質の1つであるBakのさらなる欠損で有意に改善を認めた.このBak Md-1ダブルKOマウスはMcl-1 KOマウスに比し6週の時点でのTNF一αMCP-1の上昇酸化ストレスの増加もすべて有煮に自制した.また1年でMc1-1 KOマウスが64%(14/22)に肝腫瘍の形成を認めたのに対してBak Mcレ1ダブルKOマウスでは腫蕩形成を認めず((Y7)アポトーシスの抑制は有意に発癌率を低下させた.【結論】持続的な肝細胞アポトーシスはマクロファージを活性化させ肝発癌を惹起する、
索引用語