セッション情報 ワークショップ8

消化器癌の免疫学的解析と治療

タイトル

W8-7 ペプチドワクチンによる肝細胞癌免疫療法の開発

演者 水腰英四郎(金沢大学消化器内科)
共同演者 山下竜也(金沢大学消化器内科), 金子周一(金沢大学消化器内科)
抄録 【目的】これまでに我々は肝細胞癌(HCC)に特異的な腫瘍関連抗原(TAA)とその細胞障害性T細胞(CTL)エピトープを同定してきた.今回HCCに対する免疫療法に有用と考えられるエピトープを選定しペプチドワクチンとしての安全性・免疫誘導効果について検討したので報告する.【方法】31例のHLA-A24陽性宜CC患者の末梢血リンパ球と腫瘍浸潤リンパ球を用いて14種類のTAAと27種類のCTLエピトープについて.ELISPOTアッセイCTLアッセイTetramerアッセイ法により免疫反応を測定した高頻度に免疫反応が検出されたヒトテロメラ口歌逆転写酵素(hTERT)由来のエピトープに関してはGMPグレードのペプチドを作製し14例のHCC患者に対して0203-3mgのペプチドをモンタナイドエSA51と混合し腋下部に計3回皮下投与しその安全性と免疫誘導効果を検討した.有害事象の判定にはCTCAE(v4.0)を使用した.【成績】エピトープスクリーニングの検討では101%以上の患者において免疫反応が認められたTAAは7種類でありエピトープ数は8個であった.免疫原性が高いと判断されたhTERT由来ペプチドワクチンのHCC患者への投与では.免疫反応の誘導が11/14(79%)で確認された.hTERTペプチドワクチンによって誘導されたCTLの表面マーカーの解析ではCD45RA一撃CCR7一(effector memory)細1胞の増加が見られ7/11(64%)においてワクチン投与後24週以降も末梢血での検出が可能であった.有害事象としては発熱(2例)腹部不快感(1例)投与局所の皮膚症状として掻痒感(5例)皮下硬結(7例)発赤(7例)を認めたがいずれもgrade2以下であった【結論1 HCCに対する免疫療法1に有用と考えられるCTLエピトープを選定しこのうちhTERT由来ペプチドのHCC患者への投与の安全性・免疫誘導効果を確認した.
索引用語