セッション情報 |
ワークショップ8
消化器癌の免疫学的解析と治療
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タイトル |
W8-9 胃癌患者の免疫細胞におけるNKG2D発現と免疫逃避機構の検討
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演者 |
齊藤博昭(鳥取大学病態制御外科) |
共同演者 |
尾崎知博(鳥取大学病態制御外科), 池口正英(鳥取大学病態制御外科) |
抄録 |
【目的】癌細胞に対して細胞障害活性を有する免疫細胞としてCD8Tリンパ球NK:細胞浦T細胞などがありこれらの細胞は相補的に標的細胞を認識して細胞障害活性を示すことにより広く効寧日に標的細胞を排除する.一方で癌患者においてはこれらの免疫細胞の機能が低下しておりその結果として腫瘍が進展していくと考えられている.しかし癌患者においてこれらの免疫細胞の機能低下が誘導されるメカニズムの詳細はこれまでのところ明らかではない.【方法】末梢血および組織におけるCD8Tリンパ球XNK細胞yδT細胞のNKG2D発現をフローサイトメーターを用いて行った.さらにこれらの細胞の機能低下とNKG2D発現との関連を検討した.【成績】1。 CD8日頃ンパ球のIFN一γ産生およびNK活性は胃癌患者において有意に低下していた.2.CD8Tリンパ球およびNK細胞のNK:G2D発現は胃癌患者において有意に低下しておりこの現象は腫瘍局所において顕著であった3根治術後にCD8Tリンパ球およびNK細胞のNKG2D発現の有意な上昇が認められた4. CD8Tリンパ球やNK細胞と胃癌細胞株を混合培養すると有意なNK:G2D発現の低下が確認された.一方で半透過膜を使用してCD8Tリンパ球やNK細胞と胃癌細胞株との接触を阻害するとNKG2D発現低下は認められなかったさらに抗MICA抗体によってNKG2D発現低下が有意に蜘制された.5.胃癌組織においてはVδ1細胞が~rδT細胞の大部分を占めていた.6.Vδ1細胞のIFN-Y産生は洞癌部と比較して癌部において有意に低値であった.7Vδ1細胞のNKG2D発現は非側部と比較して価部において有意に低下していた.8.癌部においてVδ1細胞のNKG2D発現とIFN一・y産生との間には有意な正の相関関係が認められた.【結論】胃癌患者においてはCD8Tリンパ球NK細胞yδT細胞の機能が低下しておりこの機能低下の原因としてNKG2D発現の低下が強く関与していることが示唆された.したがってNKG2D発現をコントロールすることにより癌患者に有効な免疫反応を誘導することが可能であると考えられる. |
索引用語 |
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