セッション情報 ワークショップ9

小腸生理機能の基礎医学的解明

タイトル

W9-6 肝硬変患者における脂肪酸吸収変化とglycosylated CD36の役割

演者 山本安則(愛媛大学大学院先端病態制御内科学)
共同演者 池田宜央(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 日浅陽一(愛媛大学大学院先端病態制御内科学)
抄録 【目的】肝臓における炎症酸化ストレス、発癌に食事由来の長鎖脂肪酸が関与することが報告されている。演者らは肝硬変患者で小腸粘膜に形態変化が生じ栄養吸収に影響しうることを報告してきた.そこで肝硬変患者の小腸脂肪酸吸収変化について解析すると共に小腸粘膜組織における脂肪酸吸収関連分子を比較検討して吸収変化の機序を解明することを研究の目的とした.【方法】対象は健常者23名および肝硬変患者47名(門脈圧充進症なし:PH(一)LC 24名門脈圧充進症あり:PH(+)LC 23名)脂肪酸吸収について1℃呼気試験法を従来の経口法ではなく上部消化管内視鏡を用いて十二指腸水平脚に】℃標識試薬を直接投与しより正確な評価法を試みた側鎖脂肪酸は1」℃sodium octanateを長鎖脂肪酸は1一’”sC sodiltm parmitateを投与し投与後6時間まで1℃O、呼気排出量を測定したまた同意を得た健常者群10名PH(+>LC群10名に小腸内視鏡検査を行い上部空腸より生検し形態学的評価とglycosylated CDSaをはじめとする脂肪酸吸収関連細胞内分子の発現を評価した.【結果1野冊脂肪酸の1℃02呼気累積排出量(Auc)はPH(+)Lc群で他聞より有意に低下した(p<().01).一方長鎖脂肪酸は投与早期(0-120分)に肝硬変患者で健常者よりAU〔htmの有意な増加がみられた(p<O.01)この変化は門脈から吸収される中日脂肪酸の代謝パターンと類似していた.またPH(+)LC群の中で門脈一体循環シtSントを処理する治療(BRTO)例ではt長野脂肪酸 AUC。.imはさらに有意に増加した(p<0.01)空腸生検紐織においてPH(+)LC群は健常者群よりchylomicron合成に必要なmicr(>somall面glycerlde prote{ロのmRNA量は有意に低下していた.一方小腸粘膜と絨毛内血管におけるglycosylated CDSCの発現は増加し血管拡張と血管数の増加がみられた【結論】肝硬変患者では摂食早期の長鎖脂肪酸吸収が増加していたその吸収克進に小腸粘膜と絨毛内血管におけるglycosylated CDSSの発現増加の関与が示唆された.
索引用語