セッション情報 ワークショップ10

IgG4関連肝胆膵疾患の診断と治療―非典型例へのアプローチ

タイトル

W10-1 国際コンセンサス診断基準による自己免疫性膵炎の診断能の検討

演者 菅野敦(東北大学消化器内科)
共同演者 下瀬川徹(東北大学消化器内科)
抄録 【背景】自己免疫性膵炎(AIP)の診断基準が世界各国から報告され混乱を来している状態を鑑み国際コンセンサス診断基準(ICDC)が制定された. ICDCの目的は診断基準の混乱を解消し世界共通の基盤によってAIPを診断し病因や病態を世界規模で明らかにすることであるしかし。実際のICDCによる診断用は不明である.【目的IIICDC・の診断能を検討しType 2 AIPとAIP-NOSの症例を抽出すること【対象】当科に入院し精査を施行したAIP患者46例.【方法】日本膵臓学会2006年診断基準(JPS2006DC)を満たす症例と満たさない症例に分けICDCを用いて再度診断しTypel AIPType2 AIPAIP-NOSに分類した.【結果】JPS2006DC合致例は37例(804%)非合致例は9例(19、6%)であった.ICDCで診断し直すとJPS2006DC合致例はDe∬nitive Type l AIP 34例Probable Type l AIP 1例AIP-NOS 2例に分けられた. JPS2006DC非合致例はDefinitive Type 1 AIP 4例Prob-able Type l AIP 1例Definitive Type 2 AIP 1例Probable Type 2 AP 1例AIPと診断できない症例2例に分類されたICDCの診断能はAIP-NOSまで含めると44/46例(95.6%)だった.AIP-NOSの1例は30代男性画像上典型例でIgG2895mg/dl抗核抗体2560倍だったがIgG4は6.4mg/d1だった.現在もステロイドによる維持療法を継続中であるが再燃は認めない.Defi面ve Type2と診断された症例は.20代男性画像上典型例だったが血清項目は全て陰性だったステロイドが著効したが経過中潰瘍性大腸炎様の直腸炎の出現とEUS-FNAで採取された膵組織の再検討によるGranulocyte-Epitheliai lesionの確認からDefinitiveType 2と診断した【まとめ】当科におけるAIPの診断能はJPS2006DCでは80.4%であったのに対しICDCでは95.6%と診断能の向上を認めたまたt ICDCを爾いることでType2 AIPやAIP-NOSに分類された症例も経験し非典型例を抽出することも可能であったICDCによるAIPのさらなる病態解明が期待される.
索引用語