セッション情報 ワークショップ10

IgG4関連肝胆膵疾患の診断と治療―非典型例へのアプローチ

タイトル

W10-3 当科における自己免疫性膵炎と炎症性腸疾患に合併した膵管狭細型膵炎の検討

演者 岡村圭也(札幌厚生病院第二消化器内科)
共同演者 宮川宏之(札幌厚生病院第二消化器内科), 長川達哉(札幌厚生病院第二消化器内科)
抄録 【目的】自己免疫性膵炎(AIP)の国際分類として病理学的に1ynphoplasmacyticscleroSing pancreatitis(LPSP)を呈しIgG4関連疾患と考えられるTypelとidiopathic ductocentric chronic panereatitis(IDCP)を呈し炎症性腸疾患(BD)の合併を多く認めるType2が提唱されている.本邦におけるAIPはほとんどがType1と考えられType2の報告は少ない.今回我々はIBD非合併AIPとType2の可能性が高いBD合併膵管狭細型膵炎との検討を行った.【対象と方法】当科で経験したIBD非合併AIP 34例(AIP群)とIBD血餅膵管狭細型膵炎4例(IBD群)を検討した.平均観察期間は1951日であった. AIPの診断は自己免疫性膵炎臨床診断基準2006に基づき行った.検討項目は患者背景臨床像画像所見治療予後である.【結果】AIP群は男性13例女性11例平均年齢63.8±10.0歳IBD群は男性4例平均年齢28.8±16.0歳潰瘍性大腸炎(UC)2例(全大腸炎型1例.左側大腸炎型1例)クローン病(CD)2例(小腸大腸型2例)であったUCはで全例活動期CDは全例非活動期であった.主訴はAIP群では黄疸11例腹痛・腹部不快感8例食欲不振・倦怠感5例無症状6例などであったがIBD群では急性膵炎様の腹痛3例無症状1例であった.膵炎発症時に面外病変を認めたのはAIP群3例でIBD群では認めなかった.Ig(Mの上昇はAIP群33例IBD群1例で認めた.膵腫大はAIP群でびまん性2tl例限局性10例IBD群でびまん性3例限局性1例であっ』た治療はAIP群ではステロイド澹療が24例、外科的治療が2例に行われたがIBD群では全例蛋白分解酵素阻害薬の投与で改善した. AIP群で膵炎の再燃は7例掛外病変の出現は6例に認めたがIBD群ではいずれも認めなかった.【結論】BDに合併した膵管狭斜型膵炎は若年で強い腹痛を伴う症例が多いと考えられた.IgG4の陽性率は低く膵外病変や再燃も少ないと考えられた.
索引用語