セッション情報 ワークショップ10

IgG4関連肝胆膵疾患の診断と治療―非典型例へのアプローチ

タイトル

W10-8 血中IgG4低値自己免疫性膵炎の臨床病理学的検討

演者
共同演者
抄録 【目的】自己免疫性膵炎は血申IgG4の上昇と諸臓器におけるIgG4陽性形質細胞の密な浸潤を特徴としIgG4関連疾患の膵病変と考えられている。1血中IgG 4二値(く135 mg/dl)の自己免疫性膵炎の特徴を検討した.【方法】自己免疫性膵炎58例を対象とし血中IgG 4低値13例の臨床病理学的特徴を高値45例と比較検討した.【結果】1二値例は女性に多い傾向を認めた(男女比7/6 vs. 36/9p=0.07).閉塞性黄疸は高値例(31%vs. 78%pく0.01)腹痛は二値例(38%vs.・7%p=O.Ol)に明らかに多かった2.びまん性膵腫大は高値例(15%vs.51%p<0.05)限局性膵体尾部腫大は二値例(13%vs.46%p〈0.05)に明らかに多かった.二二病変は高値例(8%vs. 51%p<O.Ol)急性膵炎の合併は低値例(23%vs. 4%pく0.05)に明らかに多かった.潰瘍性大腸炎は両群に1例ずつ認めた.3.ステロイド反応性は両三とも良好であったが再燃は高値5例でのみ認められた.4.唾液腺機能(唾液生化学)涙腺機能(シルマー試験)の低下は高値例でより著しかった(p<O.05).5.病理所見は高値13例ではLPSPIO例と診断不能3例であり低値8例ではLPSP4例と診断不能2例とBリンパ球主体の浸潤と線維化2例でありIDCPと診断された例はなかった.膵におけるIgG4陽性形質細胞の数は二値例で31.6士24.6/hpf高値例で55.5±23.9/hpfであった、 IgG 4二値2例の切除検体ではIgG4陽性形質細胞の密な浸潤は膵臓のみで後腹.膜や膵周囲リンパ節には認められなかった.6.胃生検により採取された胃粘膜におけるIgG4陽性形質細胞の浸潤は低値例で明らかに少なかった(1.4±0.9 vs. 7.0±5.5p<0.01).【結語1血申IgG4二値の自己免疫性膵炎は高値例と異なる臨床像を呈した.IgG4低値例には病理組織学的に病変が膵臓に限局したLPSP例の他IDCPLPSPやIDCP以外の硬化性膵炎が含まれている可能性がある.
索引用語