セッション情報 ワークショップ10

IgG4関連肝胆膵疾患の診断と治療―非典型例へのアプローチ

タイトル

W10-11 自己免疫性膵炎の非典型例

演者 小山里香子(虎の門病院消化器内科)
共同演者 今村綱男(虎の門病院消化器内科), 竹内和男(虎の門病院消化器内科)
抄録 【目的】自己免疫性膵炎(AIP)診断基準2011(案)が作成され疾患概念が明らかになる一方で非典型例の取り扱いが臨床上問題となってくる.特にAIP限局性病変は膵癌との鑑別が困難だが無用な手術を回避するには正確な診断が重要となる.今回我々は2cm以下の腫瘤として認識されたAIP限局性病変とTS1膵癌(2cm以下の膵癌)の鑑別法を明らかにするため検討した.【対象12012年8月までに当院で経験したAIPは65例.膵病変はびまん性腫大:21例限局性腫大:44例限局性腫大のうち腫大部分が2~3cm以上とse琶menta1な腫大:30例skip lesion:ll例.2crn以下の腫瘤として認識されたもの(以下AIP限局性病変)は3例でTS1膵癌との鑑別が困難であったこのAIP限局性病変3例と過去5年間のTS1膵癌切除例21例を今回の対象とし比較検討した.【結果1Ts1膵癌切除例21例のうちERcP施行例は15例.ERCのみ施行が3例で胆汁・胆管擦過細胞診で陽性が2例(2/3). ERP施行は12例で主膵管(MPD)途絶が7例膵管擦過・洗浄液細胞診で陽性が6例(6/7)と途絶例は細胞診での陽性率が高かった.MPD狭細化は5例細胞診で1陽性は1例のみ(1/5)以上よりMPD狭細化例はERP像でもAIPとの鑑別が難しいうえ細胞診の陽性率も低く診断をさらに難しくさせていると考えられた.IgG4値は5例中4例で測定し全て陰性、AIP限局性病変3例のうち1例はMPD途絶細胞診陰性で術前Ig(Mは測定しておらず膵癌疑いで手術となった2例はMPD勤口像を呈し細胞診陰性でIgG4高値のたあPSL導入し2週間後の再ERCPで改善を確認した.【訓諭】今回の検討でMPD途絶例は細胞診の陽性率が高いため細胞診陰性かつIgG4高値例はAIPの可能性を考えて短期間に限りPSL効果判定を試みてもよいと考える.MPD狭加州例は細胞診陰性でも膵癌であることがしばしばあり注意が必要だがIgG4高値例に対しては慎重にPSL反応性をみることでAIPと診断でき手術を回避できる可能性もある。MPD途絶・幽魂化いずれにおいてもAIP限局性病変とTS1膵癌の鑑別には1悪G4高値とPSL反応性以外では難しいと考えられる.
索引用語