セッション情報 ワークショップ10

IgG4関連肝胆膵疾患の診断と治療―非典型例へのアプローチ

タイトル

W10-12 当院における自己免疫性膵炎非典型例の検討

演者 行武正伸(広島大学病院消化器・代謝内科)
共同演者 佐々木民人(広島大学病院消化器・代謝内科), 茶山一彰(広島大学病院消化器・代謝内科)
抄録 【目的】当院にて経験したAIP症例のうち非典型症例においての問題点を明らか.にすることを目的とした.【対象・方法12001年頃ら2011年の間にASianDiagnostic CriteriaにてAIPと診断された36例を対象とした。 AIPの典型像を以下の3項目と定義した(造影CTで膵腫大または被膜様構造を認めるものERPで3cm以上の比較的長い狭窄を認めるもの血液検査で血清IgG4≧135mg/dl).それぞれ3項目について当てはまる項目数別に問題点を検討した.【結果】3項目とも満たす痙例は18例であった.全例でAsian criteriaを満たしSteroidの反応も良好であったが再発の割合も多かった(5/10例)iまた膵外病変も6例で認めた.2項目のみ満たす症例は15例ありAsianC!iteriaを満たさないものが3例存在した.3例ともFNAでは確診が得られず2例はSteroid trialが行われ画像の改善を認めた1例は患者の希望で手術を施行しAIPと診断した構外病変は1例に認め、再発症例は1/10例であった.1項目のみ満たす症例は2例存在し1例はIg(M陰性のびまん性狭虚像を有する症例で潰瘍性大腸炎を合併していた.Type2AIPが疑われSteroid投与によって速やかに改善を認めた.残りの1例は隈局性.の造影不良域+膵管狭窄の症例でIgG4が187mg/dlと高値を認めたためFNAにて四面を確認しSteroid trialを行い画像の改善を認めた.2例とも膵外病変や再発は認めていない.1項目も満たさない症例は1例存在しPET陽性の膵鈎部低濃度領域として描出されIgG4も陰性で主膵管にも異常を認めなかった. FNAでも洋画が得られず手術を行いAIPの診断であった.【結語】AIPの非典型例ではEUS-FNAなどの組織学的検査を行い確診の得られないCaseにはSteroid trialは有用であると思われた.しかしAIP非典型例の中には画像所見・血清IgG4値に全くあてはまらない症例もまれに存在しこのような症例にSteroid投与を行うべきか.どうかは議論の余地がある.
索引用語