セッション情報 ワークショップ10

IgG4関連肝胆膵疾患の診断と治療―非典型例へのアプローチ

タイトル

W10-14 1gG4関連疾患非典型例と膵胆道癌との鑑別の問題点

演者 鷹取元(金沢大学消化器内科)
共同演者 加賀谷尚史(金沢大学消化器内科), 金子周一(金沢大学消化器内科)
抄録 【目的】消化器医にとってIgG4関連疾患の診断の際に膵胆道癌との鑑別が問題である.特に非典型例に鑑別困難な症例が存在するIgG4関連疾患の診断の現状と癌との鑑別における問題を明らかにする.【対象と方法11995年より現在までに当科および関連施設で膵胆管病変を有するIgG4関連疾患と診断された75例を対象とし2007年以前の47例(前期群〉と2008年以降の28例1(後期群)にわけて診断治療について比較した.また外科籾除症例か.ら膵胆道癌の鑑別の問題点を検討した続計学的解析にはX2乗検定を用いた【成績Ili75弾め診断年齢は平均62.9歳で男女比62:13であった.診断においてPET一{::Tが前期2%後期43%と有意に増加していた.FDGの集積部位は膵のみが54%膵および野外病変が46%であった.生検による診断も前期13%後期29%と増加していた.方法はEUS-FNA経皮:生検乳頭生検と施設問でばらつきを認めた治療においてはステロイド投与は前後期ともに約70%で変化がなく外科的切除をされた症例は前期17%後期11%と有意な減少は認めなかっ.た【成績2】血清IgG4が認識された2001年以降の診断例で外科的切除を受けた5例(手術ge’)とステロイド投与された52例(ステロイド群〉の所見を比較した.平均年齢は手術群65.4歳ステロイド群629歳であった.膵腫大は手箭群で0%ステロイド群で73%と有意差(p=O.OO3)を認めた.騰外病変合併率は手術群0%ステロイド群25%血清工gG4の陽性率は手術群50%.ステロイド群81%生検での診断率は手術群0%ステロイド群19%と.ステロイド群で高い傾向を認めた.膵腫大がなく門外病変も認めない症例は12例でうち5例(42%)が手術されていた.【結語1近年.診断方法に変化があるものの依然としてIgG4関連疾患と膵胆道癌との鑑別が困難な症例が存在し外科的切除をされていた.手術症例の特徴としては膵腫大と膵外病変を認めず血清IgG4陰性の傾向を認めたこのような症例については生検診断もしくはステロイドの診断的投与が必要な可能性が示唆された
索引用語