セッション情報 |
ミニシンポジウム1
腸上皮化生をめぐる諸問題
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タイトル |
MSY1-4 化生性胃炎からの発癌key-moleculeとしてのCOX-2
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演者 |
井上泉(和歌山県立医科大学第二内科学講座) |
共同演者 |
前北隆雄(和歌山県立医科大学第二内科学講座), 加藤順(和歌山県立医科大学第二内科学講座) |
抄録 |
【圓的】Helicobacter pylori (HP)持続感染により招来される胃粘膜の萎縮性変化及びt期を一にして発生する腸上皮化生は胃発癌過程の中核をなす前癌状態として位置づけられている.特に胃粘膜上皮が広範な腸上皮化生により置き換えられた化生性胃炎は萎縮性変化のend-stageと考えられる胃粘膜の消耗状態にありtHPも自然除菌されている.一方HP感染を背景にした萎縮性胃炎・腸上皮化生ではCOX-2の誘導・二進が報告されている.本シンポジウムでは化生性胃炎の発癌リスク化生性胃炎からの発癌に関与するCOX-2の役割に関する演者らの一連の検討結果を報告する.【方法】1中年健常人男性4655人からなる二二コホートを10年間追跡する事で化生性胃炎例の胃雛リスクを検討した.2.㎜投与によるin-itiationを行ったHP感染スナネズミの実験系にて選択的COX-2阻害薬etodolacの腸上皮化生発生に関する影響を検討した.3.早期胃癌内視鏡切除後の化生性胃炎症例に関してetodolac投与を行い.胃癌発生に対する影響を検討した.【成績】長期観察研究の結果胃癌発生リスクはHP関連胃炎の進展に伴うて段階的に上昇し化生性胃炎例で最も高く胃癌発生年率約1%を示した.選択的COX-2阻害薬etodolacは動物実験モデルにおいて胃粘膜上皮組織の増殖腸上皮化生出現を有意に阻害し.さらに化生性胃炎症例における胃痛発生を有意に抑制した.【結論】HP関連胃炎のend-stageである・化生性胃炎症例は確実な胃癌ハイリスクであり化生性胃炎からの発癌にCOX-2が中心的役割を果たしている事が想定される.化生性胃炎例ではHPが自然除菌され明らかにpoint of no returnを過ぎており除菌による胃癌抑制効果は期待出来ないが.選択的COX-2阻害薬による胃癌発生制御は有効な選択肢である可能性が高いと考えられる. |
索引用語 |
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