セッション情報 ミニシンポジウム2

Nutraceuticalをめぐって

タイトル

MSY2-1 消化管炎症抑制ヘムオキシゲナーゼを標的にした機能性食品成分

演者
共同演者
抄録 消化管における炎症制御機構の解明は炎症性腸疾患の新規治療標的分子の探索につながるだけでなく感染性腸炎過敏性腸症候群虚血性腸疾患NSAIDs腸管障害.Hpylori感染症などの病態解析においても重要である.さらに「消化管は全身の司令塔」でもありt消化管は全身の代謝免疫応答に大きな影響を与えていることが解明されつつある.われわれは新規治療標的分子の探索研究のなかでヘムオキシゲナーゼ(HQ)の重要性を報告してきた. HOはprotoheme IXを基質としてhemeと等モルの一酸化炭素(CO)と還元鉄(Fe2’つビリベルジンを生成するHOには様々なストレスに応答して発現誘導されるHO-1と構成的に発現しているHO-2が存在するが生体応答分子としてのHO-1が注目されてきた. HO-1発現は腸管上皮細胞に軽度の発現が見られるが高発現細胞はマクロファージ細胞でありマクロファージの分化制御にも関わっている.血。イ遺伝子発現の正の制御機構であるNrf2-K:eapl系負の制御機構であるBachlなどの転写因子も明らかにされt亙0-1の制御が消化管炎症制御につながる可能性が報告されてきた.食品の機能性研究のにおいて重要な点は機能性における科学的エビデンスの構築である.ho-1遺伝子の発現制御機構の詳細が明らかになりこの生体防御機構を利用した食品宙来機能性成分が注目されている.Nrf2-Keap1の活性化によるHO-1誘導は食品因子のなかでもファイトケミカル(ポリフェノール類スルフォラファンなどの有機硫黄化合物tテルペノイド類辛味成分など)にその誘導効果が高いNrf2-Keapl系の活性化はHO-1誘導だけでなくphase ll解毒酵素の誘導作用もありがん化学予防においても注目されているHO-1誘導にはNr・f2非依存性経路も存在しプレバイオティクス(アガロオりゴ糖など)によるHO-1誘導なども明らかにされている.本講演ではt消化管炎症抑制ヘムオキシゲナーゼを標的にした機能性食品成分研究の現状についてわれわれの成績も含め紹介したい.
索引用語