セッション情報 ミニシンポジウム2

Nutraceuticalをめぐって

タイトル

MSY2-2 緑茶カテキンを用いた大腸癌予防―基礎研究からか臨床的予備試験まで―

演者 清水雅仁(岐阜大学大学院医学部消化器病態学)
共同演者 森脇久隆(岐阜大学大学院医学部消化器病態学)
抄録 【目的1緑茶カテキンは様々な臓器に対する発癌予防効果が期待されている.我々は緑茶カテキンによる大腸発癌予防の実践をめざし基礎実験として緑茶カテキンによる大腸癌細胞の増殖抑制効果と大腸癌の危険因子である炎症および肥満に関連した大腸発癌の抑制効果について検討したまた緑茶抽出物のsupple-mentationが内視鏡的切除後の大腸腺腫の異所性再発を抑制するか臨床的予備試験を行った.1【方法】ヒト大腸癌細胞株を緑茶カテキンEGCGで処理し受容体型チロシンキナーゼ(RTK)や細胞内シグナル各種標的遣伝子の活性・発現に及ぼす影響について検討した、また炎症および肥満関連マウス大腸発癌モデルにEGCGを飲水投与し大腸腫瘍の発生や炎症性サイトカインの発現IGF/IGF-1Rシグナルの活性に及ぼす影響について検討した.また大腸腺腫の内視鏡的切除術を行った患者に緑茶抽出物(15g/day)を1年間投与し大腸腺腫の再発が抑制1されるか検討した.【結果】EGCGはRTK(EGFRHER2HER3VEGFRIGF-1R)とその細胞内シグナル(ERK. Akt)のリン酸化を掬制し大腸癌細胞の増殖を抑制したまたEGCGは大腸粘膜におけるIGF/IGF-IRシグナルの過剰活性とCOX-2TNF-Ot工FNfir且一6の発現を抑制するとともに高インスリンおよび高レプチン血症を改善することでマウスの炎症および肥満関連大腸発癌を抑制した臨床的予備試験において大腸腺腫の再発率は緑茶抽出物非投与群および投与群でそれぞれ31%および15%であり緑茶抽出物は内視鏡的切除後の腺腫の再発を有意に抑制した.【結論】緑茶カテキンはIGF-IRをはじめとするRTKの過剰活性に対する抑制作凧抗炎症作用および肥満関連分子異常の改善作用を介して大腸発癌を予防する可能性が示唆された緑茶抽出物が大腸腺腫の再発を抑制したことより日常生活で恒常的かつ容易に摂取可能である緑茶カテキンは大腸発癌予防の実践を考える上で有用なneutraceutica1であると考えられた.
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