セッション情報 ミニシンポジウム2

Nutraceuticalをめぐって

タイトル

MSY2-3 レスベラトロールによる大腸発癌予防効果に関する検討

演者 酒井英嗣(横浜市大消化器内科)
共同演者 遠藤宏樹(横浜市大消化器内科), 中島淳(横浜市大消化器内科)
抄録 【目的】レスベラトロールは赤ワインなどに含まれるポリフェノールの一種であり抗酸化作用を有し肥満など生活習慣病の予防・改善効果を認めることが報告されており欧米ではサプリメントとして汎用されている.近年レスベラトロールが様々な鹿町に対して抑制効果を示すことが報告されてきたが大腸癌に関する報告は限られている.そこで我々はレスベラトm一ルの大腸腫瘍に対する効果およびその分子機序を大腸癌細胞株および動物モデルにて検討した.【方法】我々はまず大腸癌細胞株HCT-U6を用いてレスベラトロールによる増殖抑制効果およびその分子機序を検討した.続いてアゾキシメタンを用いた化学発癌モデルにおいて前癌病変であるACFの数大腸上皮の増殖・生存について検討した.レスベラトロールは投与量を5群に分け(00.1L1050rng/kg/day)食:餌に混合して投与した.【結果】IHCT-116はレスベラトu一ルにより容量依存性に増殖が抑制されその分子機序の一つとしてSTAT3の活性化抑制を介していることを発見した.発癌モデルにおいては10mg以上のレスベラトロール投与によigACFの発生が有意に抑制されそのメカニズムとして大腸上皮の細胞増殖抑制とアポトーシス促進作用が確認された.【考察】本研究でレスベラトロールによる大腸発癌抑制効果が示唆された.我々はこれまで肥満モデルでSTAT3経路が大腸腫瘍の増大に深く関わっており発癌予防のターゲットとなり得ることを報告してきた、当日はレスベラトロールによる腫瘍増大抑制効果の有無およびS’rAT3経路を含めた分子機序に関して検討を加え報告する.食生活の欧米化により肥満関連疾患が増加している昨今においてレスベラトロールは安全性が高く長期投与に適するだけでなく肥満など生活習慣病の改善効果も有する有用な化学発癌予防薬となりうると考えられる.
索引用語