抄録 |
【目的】分岐鎖アミノ酸(BCAA)は肝硬変(LC>における低アルブミン血症や高アンモニア血症の改善に広く用いられている.またBCAAの投与によりしCのイベント発現率に改善が見られることは日欧の大規模臨床試験により明らかにされているt今回の検討ではLCモデルラヅトを用いてBCAAの生存率およびアルブミンに対する影響を検討しさらに肝における抗酸化作用および鉄代謝改善作用についても検討した.【方法】雄Wistar Rat.に四塩化炭素(CCL)を5週間経口投与して肝硬変を作成した(n=21).その後1/2量のCCLを投与しながらBCAAを投与した群(BCAA群n=9)と非投与群(コントロール群n=12)に分けtさらに12週飼育した.【成績】BCAA群の累積生存率はコントロール群に比較して有意に高かった(PくO.05).BCAA群では血清アルブミン値は有意に上昇し血清トランスアミナーゼ値は有意に低下していた.BCAA群の肝組織ミトコンドリア分画におけるSOD2(Mn SOD)は有意に低下し肝の鉄乾燥重:量も有意に低下していた.またBCAA群では肝組織におけるTransferrinreceptor 1の発現は有意に上昇しFeroportin 1の発現は有意に低下していた.さらに.BCAA群の肝組織におけるHepcidinは有意に上昇しており.これらの発現変動は肝組織における鉄蓄積の低下を反映していると考えられた.【結論】BCAA投与による生存率の向上アルブミンの合成促進が確認された.さらにBCAAは肝における酸化ストレス軽減作用および鉄代謝改善作用を持つことが示唆された. |