セッション情報 ミニシンポジウム3

好酸球性消化管障害をめぐって

タイトル

MSY3-2 好酸球性消化管障害24例の臨床像の検討

演者 森山智彦(九州大学病態機能内科学)
共同演者 江崎幹宏(九州大学病態機能内科学), 松本主之(九州大学病態機能内科学)
抄録 【目的】好酸球性消化管障害(EGID)の臨床像を明らかにする.【方法】1990年以降に当科及び関連施設においてEGIDと診断された24例を対象とし.その臨床像を検討した.EGIDの診断にはTa皿eyらの診断基準を用いた.【結果】診断時年齢は11歳から72歳平均36.7歳で男女比は11:1311例が気管支喘息といったアレルギー疾患を有していた症状は腹痛が21例と最も多くそれ以外の3例は腹部膨満感を認め全体の67%16例に下痢を伴っていた.末梢血の好酸球数は21例88%で増加しており腹水貯留は7例29%に認めた.罹患部位は十二指腸が18例と最も多く.次いで小腸が16例胃が8例大腸が5例食道が3例であった.罹患部位別.の生検による好酸球浸潤は食道では3例中2例胃では8例中5例十二指腸では17例中10例小腸では5例中2例大腸では5例中5例で陽性であった.各臓器における浮腫以外の内視鏡所見には食道では縦走溝や黄色粘膜胃十二指腸小腸大腸では発赤びらん潰瘍があったが内視鏡で異常がないにも関わらず生検で好酸球浸潤が陽性であった症例を胃で1例十二指腸で2例小腸で1例大腸で2例に認めた治療は21例でステロイドが用いられておりそのうち12例は抗ヒスタミン薬やロイコトリエン拮抗薬などが併用されていたが無治療で軽快した症例を2例に認めた.全例.沿療に対する反応性は良好であったがe6例はEGIDの再発を認めており。そのうち1例は好酸球性増多症候群が疑われる症例で免疫調整薬等の併用を行うもステロイドからの離脱が困難となっている.【結論】腹痛や下痢を認める症例ではEGIDの可能性も考慮し消化管造影検査や内視鏡検査を行い一見正常に見える消化管からも生検を行うことが肝要である.
索引用語