セッション情報 ミニシンポジウム3

好酸球性消化管障害をめぐって

タイトル

MSY3-3 当院における好酸球性胃腸炎の診断・治療の検討

演者 水野慎大(慶應義塾大学医学部消化器内科)
共同演者 久松理一(慶應義塾大学医学部消化器内科), 日比紀文(慶應義塾大学医学部消化器内科)
抄録 【目的】好酸球性胃腸炎は統一された診断基準は存在せず治療法についても経験的に行われているのが現状である.今回我々はTalleyの提唱した診断基準を基に好酸球性胃腸炎と診断された患者の臨床症状・検査結果・治療方法・再発の有無などを検討した.これにより診断・治療の際の指標の探索を目的とした.【方法1 2010 tF 1月1日~2011年10月31日までに当科外来を受診もしくは入院して好酸球性胃腸炎と診断された6症例16件についてretrospective studyを行った.【成績1発症時の症状は5症例13件で上腹部痛を伴っておりいずれも下痢は認められなかった.全例で末梢血好酸球の増多を認めた(4296±836.3/μDが必ずしも病勢と関連は認められなかった.4症例7件で腹水および腹水中の好酸球数増加を認めた.血中総IgEは基準範囲より高い傾向が見られたが基準範囲内の症例も存在した.(3932±372.61U/ml).アレルゲンの検索を行った症例は2例のみだったがいずれも陰性だった.診断に際して.内視鏡下生検病理組織で病理学的に好酸球浸潤を証明しえたのは2症例のみだった一方で5症例で腹部造影CT検査にて腸管壁の肥厚を認めた.4症例10件で再燃を認めPSL投与が奏効したが無治療で軽快する例も認められた.【結謝上腹部痛・腹水の存在.末梢血中の好酸球数腹部造影CT検査における消化管壁肥厚の所見は好酸球性胃腸炎の診断に際して有用な指標となりうる.また治療に際してPSLの漸減中もしくは中止後の再発に注意する必要がある.
索引用語