セッション情報 ミニシンポジウム3

好酸球性消化管障害をめぐって

タイトル

MSY3-4 好酸球性食道炎の臨床的・内視鏡的特徴とPPIの治療効果

演者 阿部靖彦(東北大学病院消化器内科)
共同演者 飯島克則(東北大学病院消化器内科), 下瀬川徹(東北大学病院消化器内科)
抄録 【目的】好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitisEoE)は食:道に限局した高度の食道好酸球増多(esophagea! easinophiliae-Eos)で定義される. EoE確診例とEoEの確診に至らな.い軽度のe-Eos症例の臨床像・内視鏡像を比較しEoEの診断と関連する所見について検討することを目的としたまたe-Eosに対するPPIの治療効果についても検討を行った.【方法1対象は食道生検で5個/HPF(400倍)以上の好酸球浸潤を認めたe-Eos 31例(男27例平均49.9歳)で5-19個/且PFのEoE非確応護(A群)20個以上/HPFのEoE確診群(B群)に分類した自覚症状〔つかえ感胸やけ.胸部違和感など)アレルギー疾患(喘息花粉症アトピー性皮膚炎など)の合併末血好酸球数内視鏡像(縦走溝輪状しわ白色滲出物)について2群間で比較検討した.またPPI投与例では投与前後の症状内視鏡像組織像の変化について検討した.【成績】A群11例B群20例で平均年齢は各々545歳475歳でありB群でやや若年で両群とも男性優位であった自覚症状はA群36.4%B群55、0%アレルギー疾患の合併はA群57.1%B群40.0%であった.末血好酸球数を測定しえたA群6例は全て正常B群では11例中4例で好酸球増多を認めた縦走溝、とくに亀裂状の縦走溝はA群45.5%に対しB群では85.0%と有意に高率に認め白色滲出物の頻度はA群36。4%に対しB群では75.O%と高い傾向を示した一方輪状しわは両輪とも50%程度にみられ差はなかった.自覚症状がありPPI投与(2-8週間程度)が行われたe-Eos9例(A詳1例B群8例)中8例で症状は軽快・消失した.このうち内視鏡検査を再検できた7例中6.例では縦走溝や白色滲出物が消失生検でe-Eosの消退が認められた.一方輪状しわはPPI投与後も残存する傾向を示した。【結論】EoEの診断に合致する.ような高度のe-Eosの診断には亀裂状縦走溝と白色滲出物が重要と考えられたまたEoE治療の第一選択としてPPIの有用性が示唆された.
索引用語