セッション情報 ミニシンポジウム3

好酸球性消化管障害をめぐって

タイトル

MSY3-5 酸逆流が関連する好酸球性食道炎の臨床的基礎的研究

演者
共同演者
抄録 好酸球性食道炎(EoE)は食物のつまり感嚥下困難を主症状とし生検で上皮内好酸球浸潤が最大15/hpf以上認められる疾患である. GERDとの合併については議論が多いところであり2011年JACIガイドラインによればPPIに反応する疾患はPPI-responsive esophagealeosinophiliaとして独立した概念を提唱している目的:動物モデルおよび多施設共同研究によりGERD関連E。Eの病態と特徴を検討する.方法1:BNラットに慢性酸逆流性食道炎(RE)を作成しOVAを腹腔内投与感作させ2週後にOVAを吸入あるいは経口投与した.食道肉眼病変組織学的好酸球浸潤の程度IL-1βIFN一γIL-5IL-10IL-13RANTESEotaxin mRNA発現量の評価を行った.方法2:13施設における2010年9~2011年3月までに施行された上部消化管内視鏡検査10853例におけるGERDEoEGERD関連EoEの頻度と特徴を前向きに調査した.結果1:0VA吸入あるいは経口投与単独では明らかな肉眼的食道病変や組織学的に好酸球浸潤は認めなかった.REでは食道粘膜好酸球浸潤を認めOVA吸入あるいは経口投与により有意に好酸球浸潤は増加した.さらに病変部においてE-5IL-10IL-13RANTES mRNAの発現量が増加していた.結果2;10853例中GERDは1105例(10.2%)に認め内視鏡所見や症状よりEoEが疑われ生検を施行した症例は64例(O6%)であった.うち15/hpf以上の上皮内好酸球浸潤を6例に認めた.3例に対してPPI投与したところ組織学的改善を2例に認めた2例ともにアレルギー疾患の合併を認めた。結語:GERDに合併する好酸球性食道炎はGERDとは異なる病態であり何らかのアレルギー機序が関与している.
索引用語