セッション情報 ミニシンポジウム4

胆汁酸研究の進歩とこれから

タイトル

MSY4-1 核内レセプターLXR発現動態からみた非アルコール性脂肪性肝炎(NAFLD)の成立・進展への胆汁酸代謝異常の関与

演者 児玉尚伸
共同演者 菅野啓司, 田妻進
抄録 【背景と目的1メタボリック症候群に伴う非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の成立と進展は肝における脂質代謝異常と密接に関わる.加えてt我々は高血圧を背景とするNAFLD成立機序について高血圧ラット(SHR)を用いた脂肪肝惹起モデルを用いて紹介した(Hepato1 Res 2012).肝への脂質蓄積は(1)コレステロールの胆骨酸異化障害(低下)t(2)肝脂質の肝外排泄障害(低下)に起因する.上記の両者(1)(2)に密接に関わる胆汁酸合成動態は核内レセプターにより調節されることが判明している本研究では高血圧惹起NAFLDモデルにおける胆汁酸代謝動態について核内レセプターLXRの発現変動とそれに伴う胆汁酸代謝関連酵素発現を検討しNAFLD成立・進展への関与を考察した【方法】SHR.(8w齢)をコリン欠乏(CD)食にて飼育(5w)したNAFLDモデルについて1)脂質代謝動態(肝組織中および血清脂質変化)2)肝炎病態(血中逸脱酵素酸化ストレス3)胆汁酸代謝変動(肝LXRおよび胆汁酸合成関連酵素遺伝子発現)を評価して正常血圧WKYラットのそれと比較した.【結果と考察】1)SHRで肝脂質代謝関連遺伝子(PPARαACOXMCADMTPAPO-B)の発現低下を認め肝内への脂質過剰蓄積脂肪化が脂肪酸酸化低下とVLDL分泌低下に起因することを示唆した.さらに2)肝TBARS増加と肝SOD活性低下も認め脂肪性肝炎が酸化ストレス充進に起因することを示した.3)LXR遺伝子発現はSHRにおいてCD食負荷により減弱した(α一75%β一72%)胆汁酸代謝関連酵素(Cyp7alCyp8b1Cyp27a1)も発現低下を認めた(一65%一68%一53%).一方胆汁排泄系(abcb4abcbllabcc2abc琶5/宮8)でも発現低下を認めた(一81%一80%一83%一70%).【結論】高血圧惹起NIAFLDモデルにおけるLXR発現低下とそれに伴う胆汁酸代謝関連酵素発現低下が一つの重要な発症メカニズムであることが示唆された
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