セッション情報 |
ミニシンポジウム4
胆汁酸研究の進歩とこれから
|
タイトル |
MSY4-2 胆汁酸受容体FXR刺激によるCDX2の減少を介したパレット食道の悪性転化機序の解明―miR-221/222の関与―
|
演者 |
松崎潤太郎(慶應義塾大学内科学(消化器)) |
共同演者 |
鈴木秀和(慶應義塾大学内科学(消化器)), 日比紀文(慶應義塾大学内科学(消化器)) |
抄録 |
【目的】胆汁酸受容体FXRは小腸・大腸上皮に発現しているが食道の腸上皮化生であるパレット食道でもその発現上昇が認められる.パレット腺がんの形成には食道への胆汁酸逆流の関与が指摘されているがパレット食道の発がん過程におけるFXRの役割は十分目解明されていない.我々は腸上皮化生を誘導する転写因子CDX2の蛋白発現量がパレット食道から腺がんへの発がん過程で減少する点に着目しFXRの活性化がCDX2の蛋白分解系に与える影響を検討した.【方法11ヒト食道扁平上皮細胞株HETIAにCDX2発現ベクターを導入した細胞くHETlA+Cdx2)を作製した.食道内逆流胆汁酸の主成分であるコール酸またはFXRアゴニストをHETIA+Cdx2に曝露した際の細胞増殖CDX2蛋白量およびCDX2のプロテアソーム分解を抑制するp27Kiftiさらにp27陶1の翻訳を抑制するoncorrriRであるmiR-221/222の発現および機能を評価した.1成績】CDX2の導入によってFXR発現が一ヒ幽しまたコール酸曝露によりHETIA+Cdx2の細胞増殖が促進された.さらにコール酸ないしFXRアゴニストの曝露により濃度依存的にHETlA+Cdx2におけるCDX2蛋白量は減少した.よってコール酸によるFXR刺激によりCDX2蛋白分解が促進されていると考えられたFXR刺激により並R≒221溜2発現は上昇p27tmi発現は低下した.またmiR-221/za2の細胞内導入によってもCDX2分解は促進し一方anti-im’R-221/箆2団b辻orを導入するとコール酸曝露下でもCDX2分解が誘導されなかったよってFXR刺激によるCDX2の分解はmiR-221ノ箆2を介することが示された.1結論】胆汁酸はFXR活性化とmiR-221/222発現尤進を介して食道細胞におけるCDX2蛋白分解を促進させると同時に細胞増殖を充進させた.これは胆汁酸がCDX2を抑制すなわち細胞の分化段階を未分化な形質へとシフトさせる機能を有していることを示唆しておりこの機序がパレット食道の悪性転化に関与すると考えられた. |
索引用語 |
|