セッション情報 |
ミニシンポジウム4
胆汁酸研究の進歩とこれから
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タイトル |
MSY4-3 ヒト食道重層扁平上皮細胞層培養系の新規確立と酸・胆汁酸のタイト結合への影響
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演者 |
大島忠之(兵庫医科大学内科学上部消化管科) |
共同演者 |
渡二郎(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 三輪洋人(兵庫医科大学内科学上部消化管科) |
抄録 |
【団的】胃食道逆流症(GERD)では酸や胆汁酸の逆流による食道上皮バリア機能低下が胸やけや知覚異常などの症状発現に関与していると考えられるがこれまで食道重層扁平上皮細胞層をin vitroで評価できる方法がなく酸や胆汁酸の影響を詳細に検討できなかった.今回我々は正常ヒト食道扁平上皮細胞層モデルを開発しバリア機能に重要なタイト結合蛋白の同定を試み種々の胆汁酸の影響を検討した.1方法1正常ヒト食道上皮細胞(IHEEC)をAir恥uid interface(ALI)培養で扁平上皮に分化誘導させ酸や胆汁酸[グリココール酸(GCA)タウロコール酸(TCA)デオキシコール酸(DCA)]によるバリア機能変化は電気抵抗(TEER)と蛍光トレーサーの溺惑性で検討した.扁平上皮分化マーカとタイト結合関連蛋白の発現と局在はDNAマイクロアレイ蛍光免疫染色とWestern bbttingで検討した.【成績l ALI培養により強固なバリア機能を有する極性を有する重層扁平上皮細胞層が形成された.DNAマイクロアレイで重層扁平上皮層では扁平上皮分化マーカの誘導を認めた.食道への主要逆流胆汁であるGCA(4mM)とTCA(4mM)はpH 4ではバリア機能に影響を与えず酸性下(pH 3)でのみバリア機能を傷害した.一方DCAは中性下においても傷害した. GCA(4 mMpH 3)あるいはTCA(4 mMpH 3)の刺激においてNP-40非可溶性画分のclaudin-4発現が減少した.点状ひげ状の穎粒層のタイト結合蛋自がバリア機能形成に重要であると考えられた.【結論】我々はin Vitro食道重層扁平上皮細胞層モデルを新規に開発した.酸性下の抱合胆汁酸が直接扁平上皮細胞層のバリア機能を傷害し穎粒層.のclaudin-4の局在変化がバリア機能制御に重要であることが明らかとなった. |
索引用語 |
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