セッション情報 ミニシンポジウム5

術後腸管への内視鏡的アプローチを考慮した再建術式の検討

タイトル

MSY5-5 Roux-en Y再建腸管を有する胆道疾患に対するダブルバルーン内視鏡アプローチの現状と到達率向上への工夫と対策

演者 堤康一郎(岡山大学大学院消化器・肝臓内科)
共同演者 加藤博也(岡山大学大学院消化器・肝臓内科), 山本和秀(岡山大学大学院消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】当院におけるRoux-en Y再建腸管を有する胆道疾患に対するダブルバルーン内視鏡(DBE)によるアプローチの成績から困難例の特徴を明らかにし工夫や対策について考察する.【方法】対象は2008年1月から2011年10月までに胆道疾患が疑われDBEを施行した70例154件のうちRoux-en Y・胆管空腸吻合(且J群)25例64件および胃切除Roux-en Y(R群)5例6件.初國および累積(2回目以降含む)での、1)到達率2)胆管造影成功率3)造影後治療必要例における治療手技成功率を群別に検討した上で困難例の特徴を解析した.【結果】HJ群=初回はfl)68%(17/25)2)64%(16/25)3)100%(11/11).累積は1)80%(51/64)2>72%(46/64)3)97%(38/39).R群:初回はt 1)80% (4LxC5)2) 80% (4/5)3) 100% (3/3). 累積尋よ1) 83% (5/6)2) 83%(5/6)3)100%(4f4)HJ群の方が到達率は低かったが両群とも到達できればほとんどの症例で造影および治療手技は可能であった初回到達困難であったHJ群8例は癒着の影響が考えられ拡大肝右葉切除後3例や左葉グラフトによる生体肝移植後1例のような本来右葉が存在するスペースに輸入脚が落ち込んだ症例やt複数回手徳例2例が含まれていた.一方R群1例は癌再発による小腸多発狭窄例であった.計9例中8例は経皮的加療を要した.到達困難を解消する工夫として輸入脚の深部にすすめられない場合PTBDを施行した上でガイドワイヤーを肝側から脚内に誘導後ワイヤーをスネアで把持しスコープを肝側へ引き込むことで到達可能となり内痩化することができる.【結論】IRoux-en Y再建腸管症例におけるDBEによる内視鏡的胆管処置は有用である.到達率向上のためにはPTBDルートの利用や肝右葉が存在するべきスペースへの輸入脚の落ち込み予防のための大網充填といった対策案の検討が必要であると思われた.
索引用語