抄録 |
Hρy:10rf感染と消化器疾患との関連については世界中における多くの研究報告により病態に対する影響の解明が進んでいる.2009年に改訂された日本ヘリコバクター学会のガイドラインでは総称としての「H. pyrlori感染症」を取り入れ.基本的に「H pylori感染症」に対しては除菌治療を推奨するべきとされている。一方エビデンスに基づく診療ガイドラインが数多く報告されているものの医学の分野において明らかになっている事項が実際の医療現場に反映されていない課題も存在する.例えば学会のガイドラインでは総括して除菌治療が推奨されている「H. pylori感染症」のうち除菌治療の保険適用となっている疾患は消化性潰瘍胃MALTリンパ腫.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)早期胃癌に対する内視鏡的切除後胃のみである.さらに「且py10が感染胃炎」が胃癌の発症に深く関わっており除菌により胃癌の発症が抑制される可能性が報告されているにも関わらずt現状では胃癌の予防を目的とした「Hpyloゴ感染胃炎」に対する除菌治療が保険適応となっていない.本口演ではとくに日本の医療現場.における「慢性胃炎」と「H. pyloτi as染胃炎」および「機能性ディスペプシア」の相違について解説し「H. pylori感染胃炎」に対する除菌治療の保険適応に向けての問題点さらには今後学会が果たすべき課題について紹介したい. |