抄録 |
近年MRIは消化器疾患の診断・治療に大きく貢献している. MRCPはERCPの代わりに膵胆道を非侵襲的に描出し乳頭括約筋のmotilityや胆嚢の収縮能さらにはセクレチンを負荷することにより膵外分泌能まで評価可能となり膵液胆道逆流現象の描出まで可能となった.EOB-MRIは肝の血流情報に加え肝細胞相を描出できるようになり肝癌の診断に大きく貢献した.またMRI仮想超音波は2001年3月にわれわれが世界で初めて報告し(肝臓42:42-432001)その後CTにも応用され広く普及するにいたったが超音波で描出困難な病変に対しても針穿刺・治療を可能にした.DiffUsion imageは腹部においてもルーチンに使用可能となり短時間に肝胆膵悪性疾患のスクリーニングを可能にした.MR Angioは今や.造影剤を用いずに行うことが可能となり腹部血管の異常を非侵襲的に描出できるようになった.f-MRIはbrain-gut axisにもとつく消化管の知覚を検出することを可能としわれわれは胆道の知覚の検出にも応用してきた.その他MRIは肝内の脂肪や鉄線維化の評価にも有用な方法となりつつある.このようにMRIは形態から機能さらには細胞に特異的にとりこまれる造影剤の開発から体内の成分分析にいたるまでさまざまな方向へと発展しており今後ますます放射線科医との緊密な連携が重要になると考えられる. |