セッション情報 ミニシンポジウム7

MRIのTopics

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MSY7-3 Gd-EOB-DTPA造影MRI肝細胞相低信号非多血性結節の長期経過に関する検討

演者 荒井邦明(金沢大学附属病院消化器内科)
共同演者 山下竜也(金沢大学附属病院消化器内科), 金子周一(金沢大学附属病院消化器内科)
抄録 【目的】Gd-EOB-DTPA造影MRI(以ドEOIB-MRI)肝細胞相にて低信号を呈する非多血性結節が多数描出され高分化型肝細胞癌が早期に検出されるようになった.我々はこのような結節の診断や自然経過について報告してきたが、今回症例数を増やし長期経過を改めて検討し直し適切な経過観察方法や治療対象結節の絞り込みが可能か考察した.【方法】2008年5月遅ら2009年5月の間当科に通院または入院にてEOB-MRIを施行し動脈相で血流増加を呈さず肝細胞相にてEOB取り込み低下を示す低信号結節を有する慢性肝疾患症例中これらの結節に対して無治療で経過観察が可能であった42症例74結節を対象とした.男性27例女性15例初発14例再発27例でありHBsAg陽性11例HCV-Ab陽性23例であった.【成績】対象結節の腫瘍径の中央値は11皿m(5-26)であ.り非多血性と診断したmodalityがMRI単.独であったのが18結節CT併用が20結節CTとCT-HA併用が36結節であった.観察期間の中央値は26.5ケ月(4.6-41.4)であ.つた.74結節中14結節(1&9%)が多血化をきたし38%の結節に腫瘍径増大が認められた.腫瘍径の増大が認められた結節のdoubling time(DT)の中央値は139ヶ月(22-103.8)であった.多血化に寄与する因子を解析したところ男性(p=0.04)MRIT2高信号(p=O.03)DT 400日以下(p=0。03)が有意に多血化しやすくまたm未施行例(p;0.06)診断時の腫瘍径15mm以上(p = O.07)腫瘍径増大(p=0.08)も多血化をきたす因子となる可能性が示唆された.【結論】2年以上の長期経過の検討を行うことで多血化する可能性の高いEOB-MRI肝細胞相低信号結節の特徴を抽出することができたCT-HA未施行例では特に慎重な経過観察が求められると考えられた
索引用語