セッション情報 ミニシンポジウム7

MRIのTopics

タイトル

MSY7-5 膵癌の診断と治療経過におけるMRIの有用性

演者 藤本佳史(JA広島総合病院消化器内科)
共同演者 徳毛宏則(JA広島総合病院消化器内科), 石田邦夫(JA広島総合病院消化器内科)
抄録 [背景】画像診断機器の進歩により膵癌の診断は向上している近年腹部臓器に対してもMRI検査が行われる様になり膵癌の診断における有用性を検:討した.【対象と方法】2009年から2011年までの3年間に当院で診断した膵癌115例を対象とした.MDCTは全例MRIは691例IPET-CTは52例に行っている。 MRIを行った69例について1.描出率2.質的診断率3.転移巣の診断率を検討IIしたMR工の質的診断については拡散強調像(DWI)を用いて行った.拡散の低下はADCマップからADC値を測定しLSR(lesion spine ratio)を思いで定量化して検討した.4.小膵癌に対する診断についてTS1膵癌の腫瘤描出率をMDCTPET-CTと比較した5.また膵癌の化学療法中に2回以上の.MRIで経過観察ができた7例について治療効果との関連を検討した【成績】1.MRIによる腫瘤の描出率は95.7%(66/69)であったがMRCPによる膵管像の間接所見と合わせると全例で異常の指摘が可能であった.2.質的診断についてはADC値15×101-3mm2/sec未満を膵癌の陽性所見とすると74%(37/501)と低値であったがLSRO5以上を陽性として併用すると96%(48/50)と高値であった.ADC値については膵炎.との比較も提示する.3.転移巣の診断率は93%(13/14)と高く5mn】以下の小さな転移も診断が可能であった.4.TS1膵癌の腫瘤描出率はMR工:8&9%(8/9)MDCT:75%(9/12)PET-CT:60%(6/10)であった.5化学療法例では治療効果に一致して拡散強調像の変化が認められ有用であった.【結語】MRIによる膵癌の診断は質的な診断だけでなく小さな病変の指摘にも有効でありMRCPの間接所見を併用することでさらに有馬な画像検査となった、また治療効果判定においてはCTでは評価が難しい軟部影に対する判定において有用であった.さらに膵癌115例中の3例はIPMNの経過観察中に膵癌を発症しMRIで診断した症例であり嚢胞性病変の経過観察においても有用であると考えられた.
索引用語