セッション情報 ミニシンポジウム7

MRIのTopics

タイトル

MSY7-8 下部消化管運動障害の評価におけるシネMRIの有用性の検討

演者 大久保秀則(横浜市立大学消化器内科)
共同演者 高橋宏和(横浜市立大学消化器内科), 中島淳(横浜市立大学消化器内科)
抄録 【目的】これまでシネMRIは絞掩性イレウスや腸管癒着の診断など下部消化管の器質的疾患への有用性が報告されでいるが機能的異常の診断への有用性は報告が少ない.今回下部消化管機能性異常の中で最も重篤である慢性偽性腸閉塞(CIPO)症例を中心にシネMRIを用いた腸管蟻動評価の有用性を検討した.【方法】I MRI禁忌のない下部消化管運動障害患者13人(CIPOIO入慢性便秘2人巨大結腸症1人)と健常者(対照)5人に対してシネMRIを施行.撮影条件をb-TFE se・quenceTR 4JmsTE 2.Omsflip angle eo”slice thicknes$10mmmatrix 2scFOV 380mmで統一しこれを16秒間のbreath-hold下で行った.前処置として撮影30分前にIしの飲水を負荷した.腸管径の経時変化を解析し.平均腸管径収縮周期収縮率を両群の聞で統計学的に比較した.【結果】CIPO群は健常者群に比べ。平均腸管径が有意に大きく(56.1±20.3mm vs 9.9±4.5mm p<O.001)収縮率は有意に低値であった(289士&6%vs 84.9±5.7%p=O.0014).一方で収縮周期に有意差は認めなかった(8.2±0.8s vs 89±3.2s p;0.76)シネMRIは腸管拡張の有無のみならず動画として評価することで従来の静止画像で.は評価不可能であった蠕動に関しても容易に視認可能であった.特に協調運動の保たれた有効な蠕動運動とto-and-fro型の無効な蠕動運動の鑑別において有用であるため病変部位の特定が十分可能であった今回の検討でCVPO症例の中でも小腸蠕動運動が残存している症例と完全に消失した症例が存在することが明らかとなった.1結謝シネMRIは従来のマノメトリー法と比較し、簡便で低侵襲多くの施設で実施可能であるさらにマノメトリー法は特定の数か所のポイントの評価に限局するのに対しシネMRIは腸管拡張や蠕動の評価においても全小腸の連続的解析が可能である.今回の検討でシネMRIは下部消化管の機能牲疾患の腸管蠕動評価さらに病変部位の特定に非常に有用な手段であることが示唆された.
索引用語