抄録 |
1目的】IHHをマウス胃上皮不死化細胞株GSMO6に遺伝子導入することで線維化の強いスキルス胃癌モデルの作成を試みること.【方法】IHHをレトロウイルス(pMX)にてGSMO6に遺伝子導入したもの(IHH/GSMO6>を作成し次の4項目について検討した.1)Migrationアッセイ:IHH/GSMO6がGSMO6と比較し3T3細胞の浸潤性を促進するか検討した同様の浸潤性をIHH/GSMO6やGSMO6の培養液でも比較した.2)ソフトアガーアッセイニGSMO6.3T3細胞GSMO6+3T3細胞IHH/GSMO6IHH/GSMO6+3T3細胞にて細胞増殖能を比較した.3)サイクUパミン増殖抑制実験:ソフトアガーアッセイで最も増殖を示した細胞にヘッジホッグシグナル系を抑制するサイクロバミンを添加し細胞増殖が抑制されるかどうか検討した.4)ヌードマウス造腫瘍アッセイ:GSMO63T3細胞GSMO6+3T3細胞IHH/GSMO6IHH/GSMO6+3T3細胞. v-Ras/GSMO6をヌードマウスに皮下接種し造腫瘍能を確認した.【結果】1)Migrabionアッセイ:IHH/GSMO6はGSMO6よりも有意に3T3細胞の浸{閏性を促進した. IHH/GSMO6の培養液ではGSMO6周目も有意に浸潤性を促進した.2)ソフトァガーアッセイ:IHH/GSMO6+3T3細胞で最も細胞増殖能が強かった.3>サイクロパミン増殖抑制実験:IHH/GSMO6+3T3細胞にサイクロパミンを添加.したところ濃度:依存性に細胞増殖が抑制された.4)ヌードマウス造腫癌アッセイ:陰性コントロールとIHH/GSMO6では腫瘍を形成しなかったがIHH/GSMO6+3T3細胞では腫瘍を形成した形成された腫瘍組織の病理所見は非常に線維化の強い低分化癌であった.【結論】1IHH/GSMO6÷3T3細胞はヌードマウスで皮下腫蕩を形成した.2腫癌の病理組織所見は非常に線維化の強い低分化癌の像を呈していた.3.このモデルは将来的にスキルス胃癌の発癌機序や治療への応用が期待できる. |