抄録 |
我々はすでにII一17A遺伝子5’側に存在する遺伝子多型一197G>A(rs2275913)力母胃癌者において偏りのみられることを報告した(Hum㎞mno12009)今回はそれに加えIL-17A3LUTRの*1249C>T(rs3748067)およびIL-17Aに高親和性を有するmiR-938のpre体のrs2505901T>Cと胃癌との関係につき検討した.1方法】胃癌患者337例非胃癌者587例より得たDNAを対象とした. PCR-SSCP法にてgeno-typingを行い各種臨床病理学的因子につきその関与を検討した.【成績】胃癌患者で平均年齢男女比H pylo.ri(HP)陽性率は有意に高値であった.胃癌者においてmutant・a皿ele頻度は一197Aは有意に高値(46.3%vs37.5%p=O.00038)で*1249Tとrs2505901Cは有意に低値であった(5.50%VS 9.77%p=0.0097:19.8%VS 24.8%p=O.O15).logistic多変量解析では一197AAホモ接合体は胃癌の有意な危険因子であり(OR:95%CI;232:158-3.40)*1249T carrlerとrs2505901C carrierは有意な抑制因子であった(O.511:0.272一’0.962とO.733:0.545-O.985).胃癌の進展度に関しては一197AAホモ接合体は深達度リンパ節転移の有無を問わず有意な危険因子であった.一方*1249T car-rierはT2以深例とリンパ節転移陽性例に負の関与を認め(O.474:0.241-O.932とO.339:0.153-O.753)rs2505901C carrierも同様に両者に負の関与を認めた(0.603:O412-0.884と0.647:0.451「O.930).【結語】今回の検討からは一197 mutantは胃癌に促進的に*1249・rs2505901 mutantは胃癌に抑制的に作用すると考えられた.すなわちIL-17A遺伝子は5’一upstremと3t-UTRに存在する遺伝子多型ならびにその3’一UTRをtargetとするmiR938のpre体に存在する遺伝子多型の相互作用により1胃癌発生に関与している可能性が考えられた. |